超便利!? 首都高上野線の「中央環状線直結」計画とは!? 東北道へ“最短距離”でアクセス 実はすでに「準備万端」な理由とは

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中途半端な「盲腸線」が化ける!?

 都心環状線の江戸橋JCTから北へ伸び、秋葉原を経て上野へ達する「首都高1号上野線」には、さらに先へ伸びる延伸構想があります。
 
 いったいどんなルートで、話はどこまで進んでいるのでしょうか。

首都高上野線の延伸計画とは(画像:写真AC)。

 首都高1号上野線は、1969年に江戸橋〜入谷が全線開通。国道4号「昭和通り」の真上を高架で北上し、台東区や荒川区の「高速空白地帯」へ「信号ゼロ」アクセスを担います。

【画像】超便利!? これが首都高上野線の「延伸計画」ルートです(19枚)

 そんな1号上野線は、上野駅の少し先の「入谷出入口」という、中途半端な場所で終点となっています。

 しかし、入谷から先、さらに北へ延伸していき、都心脱出を図るべく「中央環状線」へ接続するという構想が存在します。

 2021年に国交省が策定した「新広域道路交通計画」でも、未検討の「構想路線」として、「1号線延伸」が円形を並べておおまかなルートが描かれています。

 そのルートは、国道4号(昭和通り)の真上を千住方面へ行くのではなく、国道4号から西へそれて、まっすぐ北へ向かうものとなっています。

 中央環状線へは、扇大橋〜千住新橋の中間あたり、西新井橋付近で接続するものとみられます。

 実現すれば、都心〜郊外の脱出ルートが新たに誕生することとなります。

 思えば首都高川口線〜東北道のルートは、都心から中途半端なアクセスであることが否めません。ぐるっと板橋JCTへ迂回するか、向島線から堀切経由でぐるっと回るしかないからです。

 ここで江戸橋〜扇大橋〜川口線のルートが生まれると、東北道方面へはよりスムーズとなり、混雑分散にも期待がかかります。実際、国道4号は千住大橋付近で渋滞が激しいため、こちらの渋滞対策にも一定の効果があると思われます。

 気になる進捗ですが、概略ルートの検討どころか、その前段階の「地元の機運醸成」、つまり期成同盟会の活動なども特に見られません。都議会や区議会などでも近年の議論は特になく、「事業化の優先順位を争う」レベルには至っていません。

 東京都の都市計画道路でも、「2025年度までに優先的に事業化していく」という「第四次事業化計画」にはリストアップされていません。

 しかし、平成初期に掲げられた「上野線延伸計画」は、確かに存在する証明が、現地に存在します。

 それは、中央環状線西行きの扇大橋〜千住新橋にある、謎の「ブツ切れ高架橋桁」です。荒川側に、ガードレールで囲まれた使われていないスペースがあったかと思えば途切れ、しばらくするとまたスペースが出現します。

 実はこれこそが、「将来、上野線が接続してくる」ことを前提に、準備がなされたものなのです。橋脚をあとから「拡幅対応」することは難しいため、あらかじめ拡幅を見据えた分だけ、広めに作っておいたわけです。

 今のところ具体化のめどは立っていませんが、延伸先に「受け入れ準備」がある、この1号上野線延伸構想。今後の動向に注目です。