歴史学者、渡辺大門氏、「司馬遼太郎先生の歴史小説は、歴史研究への反論の根拠にならない」と述べる

　渡辺大門氏が自身のYouTubeチャンネルを更新し、「講演後の質疑応答の際、司馬遼太郎先生の歴史小説を根拠として反論しても、それはまったく有効ではありません」と題して、歴史講演における質問の際に司馬遼太郎先生の歴史小説がどのように利用されるかについて語った。渡辺氏は、「歴史小説はあくまでフィクションであり、歴史研究ではない」という点を強調した。氏は、公民館や大学の生涯学習講座などで講演を行う機会が多いとし、特に年配層から司馬遼太郎先生の小説を基にした質問や反論が多いと述べている。

　渡辺氏は「司馬遼太郎先生の小説は、歴史を楽しむための創作物です」とし、「歴史研究とは全く異なるものです。歴史研究は一次史料に基づいて行われ、事実の確認と解釈が求められますが、歴史小説は感動や楽しさを提供するためのものであり、そこには創作が含まれます」と解説した。また、渡辺氏は、適切な研究書、一般書に目を通し、新しい情報をアップデートすることの重要性についても触れた。

　「講演後のアンケートによく『自分の知っている説と違う』と書かれることがありますが、歴史研究は絶えず進化するものであり、最新の研究をもとにした知識を得ることが重要です」と語り、歴史の講演を聞く際の心構えについてもアドバイスを加えた。

　動画の締めくくりでは、「歴史研究と歴史小説は野球とサッカーぐらい違うものであり、更に良質な知識を求めるために新しい情報を受け入れる柔軟さを持ってほしい」と述べ、視聴者に向けてのメッセージを発信した。最後には、「チャンネル登録とSNSでの拡散をお願いします」と結び、視聴者への協力を呼びかけた。