19年の札幌記念を制したブラストワンピース(19年8月撮影、ユーザー提供:水軍さん)

写真拡大

 19年の札幌記念は4頭のGI馬が参戦したことで注目を集めた。勝ったのは前年の有馬記念の覇者であり、3番人気だったブラストワンピース。川田将雅騎手と初コンビを組んだ一戦で、待望の重賞4勝目を手にした。

 ブラストワンピースは2歳秋のデビューから新馬、ゆりかもめ賞、毎日杯と無傷の3連勝。クラシックは日本ダービーが5着、菊花賞が4着だったが、有馬記念でGI初制覇を果たした。古馬となって大阪杯が6着、目黒記念が8着と1番人気で連敗した後、主戦の池添謙一騎手から川田騎手にスイッチして、夏のスーパーGIIに参戦。レースでは中団後ろからロスなく運び、勝負所で先団へ。直線に向いてジワジワ伸びると、押し切りを図ろうとした前年覇者のサングレーザーをゴール前で捕らえ、4つ目の重賞タイトルを獲得した。

 6歳夏の札幌記念を最後に引退後、ブラストワンピースは北海道のノーザンホースパークで第二の馬生をスタート。来場者とのふれあいや写真撮影などの仕事をこなす一方、馬場馬術の大会で優勝するなど競技馬としても注目を集めている。パリ2024オリンピックの総合馬術では日本代表が銅メダルを獲得したが、馬術に挑むブラストワンピースの活躍も楽しみだ。

 では、19年の札幌記念に出走していた他のGI馬3頭はどうしているのだろうか。3着だったフィエールマンは北海道・日高のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬となり、今夏にファーストクロップがデビューしている。一方、4着のワグネリアンは現役だった22年1月5日、栗東トレセンの入院馬房でこの世を去った。解剖の結果、死因は胆石が胆管に詰まったことによって引き起こされた多臓器不全と判明した。また、5着のペルシアンナイトは誘導馬に転身。22年6月に東京競馬場でデビューすると、23年からは京都競馬場で活躍している。

 ワグネリアンの早世は残念だが、他の3頭はそれぞれのフィールドで奮闘中。第二の馬生を歩むGI馬をぜひ見守ってほしい。