50代からは、心に余裕を持ちながら暮らしたいもの。元祖・節約主婦として知られ、カウンセラー・エッセイストとして活躍する若松美穂さんが、詰め込まないために心がけているコツについて教えてくれました。

詰め込み過ぎない暮らしのコツ5つ

「○○な暮らし」の○○に入る、自分の求める理想的な暮らしは? と言われたら、なにが入るでしょう。おそらく、その時々によって異なるのではないでしょうか。

わがままな私は、年単位・数か月単位で理想的な暮らし変わります。もしかしたら、数日でも求める暮らしは違うような気がします。

サッパリした暮らし、丁寧な暮らし、がんばらない暮らし、平凡な暮らし、刺激のある暮らし、仲間のいる暮らし、自由気ままな暮らし、豊かな暮らし、笑いのある暮らしなど、挙げたらキリがありません。

だからこそ、その時々、臨機応変に、柔軟に、現実を自分の求める暮らしに近づけていけばいいのだと感じます。今の私は「心と体、時間に適度にスペースのある暮らし」を求めています。

病気と向き合う時期は、そうはいかないと思いますが、まだまだ働くことのできる50代。個人的に「ゆとりのある暮らし」は、まだ先でもいいかな。でも、詰め込み過ぎや余裕がないのはしんどい年齢でもあります。

そこで「心と体、時間にスペースのある暮らし」をつくるため、私がしていることを挙げてみようと思います。

1:丁寧に伝える

家族でも、ともにお仕事をさせていただいた方でも、私の思いや考えを「察して欲しい」というのは、できるだけ減らすようにしています。自分の予定や考え、ミス、変更して欲しいことは、早めに丁寧に伝える工夫をします。

もちろん、言いにくいこともあります。相手も言われて嫌なこともあるでしょう。でも、ただ丸く治めることよりも、夫婦間・親子間で、仕事のパートナーとして、お客様にとって、よりよく進むためには、伝えることも必要だと感じています。

それに、家族も私も、お互いにいい大人。相手を大切に思い、平坦に伝えることで、ある程度は理解し合えることも多くあると感じています。

伝え合えば、“変に想像する”“妄想する気持ち”“すれ違う時間”は減り、頭や心に心地のいいスペースが生まれます。お互いがそのスペースを、自分のために使えることを願っています。

ということは、私にも、言いにくいことを伝えてくださる方たちは、貴重なありがたい存在なのです。私自身がなにか気がつくまでの時間を省いてくださって、スペースをつくって下さっているのですから。

2:「しすぎる」をやめる

家事でも仕事でも、しすぎれば疲れますし、余裕がなくなります。食べすぎ、飲みすぎ、がんばりすぎ、つき合いすぎ、気の使いすぎ、寝すぎ。どれも、ほどほどを心がけます。

子育ても終わった今、家事は、したいとき、できるときにすればいいかなと。しなくてもいいときも案外あります。

心と体・自分時間に、適度なスペースを残すことができるよう、今は、「どれくらいできる? する?」という、自分との相談を忘れないようにしています。

3:話せる人や相談相手をもつ

心に余裕がないと、周囲の人に優しくできません。あせったり、ミスをしたり、ときには悩むことに長い時間を使ったり。でも、経験豊かな人やその道の専門家、情報をもっていて信じることのできる人を知っていれば、それだけで心強いですよね。

話を聞いてもらい、いいアドバイスをもらえたら、悩む時間が減り、心と頭にスペースが生まれます。

・心配や用心のし過ぎかな
・なんとかなる
・こうすればいい・こうしよう
・仕方がない・あきらめよう

など、自分を説得できる言葉が見つかれば、心のスペースが生まれるでしょう。眠ったり食べたりができるようになり、早い時点で、元気を取り戻すことができるのかもしれません。

4:スペースをつくり出す

これは目に見えてのスペースです。いっぱいの本棚には、新しい本を買っても、しまうスペースはありません。

ぎゅうぎゅう詰めのウォークインクローゼットでは、ものが探しにくく、洋服を選び取るにも時間がかかります。

目に見えるスペースがあることの利点は、皆もが知っていることでしょうし、スペースがあるからこそ、新しいもの(情報含め)を入れることができる。

これは、ものも心も時間も頭の中も同じです。新しいものが入るスペースをつくっておくことで、様々な余裕が生まれるのではないでしょうか。

5:頼る、お願いする

先日、2年ぶりに庭木の選定をお願いしました。すると、毒を持っている虫を、3匹ほど見つけましたと言われました。じつは、比較検討するため、見積もりを取った別の業者さんからも、「虫がいますね。消毒した方がいいですよ」と助言があって。けれど、私はどれだけを、どのようにすればいいのかもわかりません。

実際、庭で虫に刺され、ひどい目にあった身内や友人がいたもので、専門の彼らにお願いすることにしました。かかる費用は3000円〜5000円くらいとのことでした。

これで、私や家族が虫に刺され、痛がる時間、病院に行くかもしれない時間が減ります。庭の消毒を自分でする手間も時間も必要がなくなりました。怯えたり、心配することもなくてすみます。

一方、「安心」という心のスペースをもらうことができたように感じています。

自分がの望む満足のいく暮らしは、人それぞれ違うから。まずは、“今の自分”がどう居たいのかを把握して、それに近づいていくことができたら、暮らしや自分への満足感は増すのかもしれません。