「前を走るパトカー」追い越して問題ない? 「ドキドキする…」  “赤いランプ”には要注意!? 元警察官が解説!

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目の前に「パトカー」追い越しても平気?

 運転中、目の前にパトカーが走っていると何となく追い越しづらいと感じる人もいるでしょう。

 では、このような場合にパトカーを追い越しても大丈夫なのでしょうか。

パトカーは追い越しても平気?(画像はイメージ)

【画像】「えっ…!?」 これが「覆面パトカーの見分け方」です!(27枚)

 クルマやバイクを運転していると、たびたびパトカーに遭遇します。

 場合によっては自分のクルマの前方をパトカーが走ることもあり、何となく緊張してしまうという人もいるかもしれません。

 SNS上では、パトカーが前方にいる場合のドライバーの対応に関して「高速道路でパトカーの後ろについたけど追い越せない」「パトカーが先頭を走っていると誰も抜かないから後ろが渋滞する」「法定速度で走っていても、追い越すときはドキドキする」などの声が聞かれました。

 上記のようにパトカーを見るとつい緊張してしまうドライバーも少なくありませんが、このような場合、パトカーを追い越しても問題はないのでしょうか。

 結論から言うと、一般の車両がパトカーを追い越しても特段問題はないものの、追い越しの際にはいくつか注意が必要です。

 まずその1つとして、スピードを出しすぎないことが挙げられます。

 基本的にパトカーは道路の制限速度内で走行しているため、追い越す際にスピードを出しすぎると制限速度を超えてしまう可能性があります。

 道路交通法第22条では「車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない」と規定しており、法律上は制限速度を時速1kmでも超えればスピード違反に当たります。

 ただし車両の構造上、スピードメーターに表示される速度と実際に出ている速度には時速10km程度の誤差が出るケースがあるため、制限速度を超えたからといってすぐに検挙される可能性は低いといえるでしょう。

 これはクルマのスピードメーターに表示されている値と実際の値に若干の誤差があることからそのズレに許容範囲があるのです。

 道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第148条第1項第2号では、計測した速度が次式に適合するものであるとしています。

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10(V1−6)/11≦V2≦(100/94)V1
V1は、自動車に備える速度計の指示速度(単位km/h)
V2は、速度計試験機を用いて計測した速度(単位km/h)
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 もちろん速度によっても異なるものの、+−で約時速10km程度の範囲内に収まるように速度計は製造されているため、メーターが時速60kmを指していても、実際は時速50km程度だったということもあり得ます。

他にも気をつけるコトはある! 意外に見落としがちな行為とは

 さらに高速道路でパトカーを追い越す際には、道路交通法第20条第1項に定める「通行帯違反」にも気をつけなければいけません。

 同条では車両通行帯のある道路では最も左側の通行帯を走行することや、3つ以上の車両通行帯がある道路においては最も右側の通行帯を追い越し用として空け、それ以外の通行帯を走行することが決められています。

 つまり、やむを得ない理由がないのに高速道路の「追い越し車線」を走り続けると通行帯違反に該当してしまいます。

 高速道路でパトカーを追い越す際は、追い越しが終わった後すみやかに元の車線に戻ることが大切です。

 特に高速道路では、一般車両と同じような見た目をした覆面パトカーが交通取り締まりを実施しており、知らず知らずのうちにパトカーを追い越している可能性もあるため注意しましょう。

 また当然ですが、道路標識によって追い越しが禁止されている場所や交差点・横断歩道・踏切付近などでは追い越しをしてはいけません。

 走行中のパトカーは交通違反の取り締まりだけでなく、地域のパトロールや不審者・不審車両に対する職務質問などさまざまな業務をおこなっています。

 パトカーを追い越したからといって警戒されるわけではなく、上記の点に注意していれば必要以上におそれることはないといえるでしょう。

悪いことしてなくても…パトカーを見るとドキッとする?

 なお、パトカーが赤色灯を点灯しサイレンを鳴らしながら走行している場合は事件や事故など緊急の用務で現場に向かっているため、道を譲らなければいけません。

 たとえば交差点やその付近で緊急自動車が近づいてきたときは、原則として車両は交差点を避け、道路の左側に寄って一時停止する必要があります。

 加えて、それ以外の場所においては道路の左側に寄って進路を譲るのがルールです。

 緊急自動車の接近にすぐ気付けるよう、音楽やラジオなどの音量は周囲の音が聞こえる程度に抑えておきましょう。

※ ※ ※

 交通ルールを守りながら運転していれば、パトカーを追い越しても何ら問題はありません。

 パトカーを見かけても、焦らず落ち着いて運転することが重要です。