この記事をまとめると

■ジープ・アベンジャーのティザーサイトがオープンした

■欧州ではすでに発売済みのアベンジャーにはガソリン仕様とMHEVもあるが日本にはEVのみを導入予定

■本格的なオフロード走行が可能なEVはなかったからアベンジャーへの期待は高い

ジープ初のBEVがいよいよ日本市場にも登場

 ついに、ジープ「アベンジャー」が日本に上陸する。ステランティスジャパンは6月、今秋の発売を前にティザーサイトを開設した。

 日本にはEV(電気自動車)のみが導入される。アベンジャーは2022年に発表され、グローバルではすでに発売中。EVのほか、ガソリンエンジンと48Vマイルドハイブリッド仕様がある。

 アベンジャーは、「ラングラー」、「グランドチェロキー」、「コンパス」、「レネゲート」に次ぐ、コンパクトSUVというジープブランド内の立ち位置だ。

 すでに発売されている英国仕様EVモデルのボディ寸法は、全長4084mm×全幅1776mm×全高1527mm、ホイールベースが2562mm。

 日本市場でのティザーサイトによれば、ジープ史上で100%バッテリー式EVで量産されるのはアベンジャーが初めて。満充電での航続距離は、ステンランティス社内参考値として約480kmである。

 また、ドライバー自身で選択できるテレインシステムにより、泥、雪、砂地などさまざまな路面状況に応じた6種類のモードが組み込まれている。

 さらに、コンパクトなボディサイズながら、リヤカーゴ容量は355リットルでユーザーの日常生活を支える。

 走りについては、ジープファンのみならず、SUVに興味があるユーザーならば大いに気になるところだろう。ジープといえば、本格的なオフロードというイメージが強いが、オフロードでの本格的な走行が可能なEVはこれまでなかったからだ。

 そもそも、ジープが本格的な電動化路線にシフトすることに対して、ジープファンですら最初はかなり驚いたに違いない。

 それは2022年9月のことだった。ステランティスが「ジープはグローバルでエレクトリックSUVブランドのリーダーとなる」と宣言したのだ。

 具体的には、2025年までに北米と欧州で4つのゼロエミッション(ZEV)モデルを導入すること。「ワゴニア4xe」を含めてアメリカで発売する全モデルで電動化すること。2030年までにアメリカでの新車販売の50%、欧州では100%をバッテリーEVにすること。そうしたなか、2022年10月のパリモーターショーでアベンジャーを公開することを明らかにした。

 直近では、欧州連合におけるEV推進施策の修正や、アメリカでのいわゆる「もしトラ(トランプ大統領誕生の可能性)」などを加味すると、ステランティスに限らず、自動車メーカー各社の電動化戦略は若干の修正が施される可能性は否定できないだろう。

 それでも、ステランティスの電動化はこれまで着実に進んできており、そうした流れのなかで今回、日本仕様アベンジャーはEVのみ導入という決断を下したといえる。

 果たして、アベンジャー(EV)は日本の道でどんなパフォーマンスを見せるのか、期待を持ってその登場を待ちたい。