とちぎテレビ

橋を通る車の重さを、橋げたや橋脚に伝えための床板を、床版といいます。栃木県宇都宮市とさくら市にまたがる東北自動車道の鬼怒川橋では、高速道路の古くなった橋の床版を取り替える工事が行われていて、県内では初めての工法が公開されました。

「NEXCO東日本宇都宮管理事務所」は、東北自動車道の県内の区間で、老朽化や劣化した場所を、リニューアルする工事を進めています。

宇都宮市とさくら市にまたがる鬼怒川橋は、1973年に使用が始まってから50年以上が経過し、老朽化が進んでいることから、橋げたと舗装面の間で橋の土台となる床版を、耐久性の高いコンクリートに取り替えることになりました。工事区間は、橋の全長およそ600メートルのうち、上りの180メートル区間で、工事は平日に行われていて、土・日や祝日は実施しません。

今回の工事では、従来のクレーンに代わり「半断面床版取替機」と呼ばれる機械が、県内で初めて導入されました。宇都宮管理事務所によりますと、この機械を使うことで、通行止めにする車線が1車線ですむなど、通行量の確保や工期の短縮などに効果があるということです。

こちらが古い床版を取り去ったあと、新しい床版が設置される前の橋げたです。床版をおよそ2メートルの幅に切って、取替機1台で1日に床版3枚およそ6メートル分を、取り替えていきます。

また、今回の工事では、上下線の交通量に合わせて車線を切り替えることができる、ロードジッパーという特殊な車両も、県内で初めて活用されています。この車両を使うことで、センターラインに代わるコンクリートの防護柵を掴んで、移動させることができます。

工事に伴い、およそ4キロの区間を3車線に規制していますが、通行量に応じて、午後9時から翌日の正午までは下り線を2車線に、午後1時から午後8時までは上り線が2車線になるように、車線を切り替えています。

鬼怒川橋の床版取替工事は来年の2月末まで行われる予定です。