キヤノン、新映像エンジンシステムのフルサイズカメラ「EOS R5 Mark II」
「EOS R5 Mark II」
キヤノンは、進化した高速AFや動画性能により、静止画・動画の撮影領域を広げたというプロ・ハイアマチュア向けフルサイズミラーレス「EOS R5 Mark II」を8月下旬に発売する。価格はオープンプライス、キヤノンオンラインショップでの価格はボディ単体で654,500円。予約受付は23日10時から。
同時発表されたフラグシップ機「EOS R1」と同等のシステムを、R1より小型なボディに搭載し、静止画・動画性能を2020年7月発売「EOS R5」から大幅に進化させたという。
「自然風景やスポーツなどの静止画撮影から報道や映像制作などの動画撮影まで幅広いシーンでの撮影を一台でカバーする撮影性能と機動性を兼ね備え、プロ・ハイアマチュアユーザーの多様なニーズに応える」という。
新映像エンジンシステム「Accelerated Capture」や新AFシステム「Dual Pixel Intelligent AF」を採用
映像エンジン「DIGIC X」と高速処理ができる「DIGIC Accelerator」を組み合わせた新映像エンジンシステム「Accelerated Capture」と、ディープラーニング技術を融合させた新しいAFシステム「Dual Pixel Intelligent AF」により、高いトラッキング性能を実現。
被写体が交錯するシーンが多いチームスポーツなどでも、被写体を追い続けるためにトラッキング性能を強化したほか、人物が小さい場合でも検知可能な「上半身検知」、障害物が被写体の前を横切るシーンなどでも被写体の頭部とその前に重なる障害物を見分ける「頭部領域推定による障害物回避」により、精度の高いトラッキングができる。
また、サッカーのシュートなどの特定の動作の被写体をカメラが自動で認識し、素早くAFフレームを合わせる「アクション優先」機能も搭載。あらかじめ狙いたい被写体を登録して、優先的に追尾する「登録人物優先」機能は'21年11月発売の「EOS R3」比で、顔がななめに向いた際の検出性能を向上させている。
電子シャッター使用時は、AF/AE追従しながら最高約30コマ/秒を実現。20コマ/秒、10コマ/秒といった中間のコマ速も設定できる。
さらに電子シャッター時のローリングシャッター歪みはEOS R5から約40%に低減され、高速に動く被写体でも少ない歪みで撮影できる。
視線入力AFを搭載
ファインダーをのぞく瞳の動きでAF操作ができる視線入力AFを搭載。検出フレームレートはEOS R3から約2倍となってレスポンスが向上、光学系も新規設計されており、目の位置がずれた場合、メガネをかけているときの検出安定性も向上させた。
そのほか、シャッターボタンを押したタイミングから最大約15コマ分さかのぼって撮影できる「プリ連続撮影」機能も搭載する。
EOS R5 mark II向けに最適化された、自社開発のフルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーを搭載。デュアルピクセルCMOS AFに対応し、高速読み出しと低ノイズによる高画質化を両立した。
EOS R5 mark IIでは、約4,500万画素のセンサーを搭載。高解像度と常用最高ISO51200(静止画撮影時)の高感度を両立しながら、高画質な静止画撮影を実現した。
「カメラ内アップスケーリング」機能が利用でき、アプリなどを介することなく、撮影した画像(JPEG/HEIF)から、最大約1億7,900万画素の画像をカメラ内で生成できる。
ボディ内5軸手ブレ補正を搭載し、レンズ内光学式手ぶれ補正を備えたRFレンズとの協調制御も可能。中心最大8.5段、周辺最大7.5段の手ブレ補正効果を発揮する。
RAW撮影した静止画をカメラ内で処理し、ノイズを低減した高画質画像を生成する「ニューラルネットワークノイズ低減」機能も利用できる。
動画性能としては、フルサイズ画角での8K/60P RAW動画や4K/120P MP4動画記録を、カメラ内部記録で実現。動画撮影中に最高約7.5コマの静止画記録もできる。新たにクロップせずに4K RAW動画を内部記録できる4K SRAW動画を初搭載した。
従来のピクチャースタイルに加え、CINEMA EOS SYSTEMと共通のカラープリセットである「カスタムピクチャー」を搭載。「Canon Log 3」と比べて、中間から暗部の階調性が高い「Canon Log 2」や、カラーグレーディング不要のBT.709ベースの設定、HDR設定を選択でき、CINEMA EOSと“親和性のある画作り”ができる。カメラでLUTファイルの適用も可能。
別売りの新アクセサリーとして、カメラ内部に風を送ることで内部を冷却して温度上昇を抑制するクーリングファン「CF-R20EP」も用意。これを組み合わせることで8K/30Pで120分以上の動画撮影ができる。CF-R20EPには新型バッテリーパック「LP-E6P」を2個装填可能。
タリーランプや動画撮影時の赤枠強調表示機能を備える
そのほか、9月発売のデジタルシネマカメラ「EOS C400」と共通のファイルシステムやタリーランプ、動画撮影ボタンを押す3秒前、または5秒前から映像を記録する「プレ記録」機能なども備える。
筐体外装にはマグネシウム合金を採用し、高い堅牢性を確保。EOS R5同等の防塵・防滴仕様となっている。
HDMI Type-Aポートなどを搭載
電子ビューファインダーは、0.5型/約576万ドット。EOS R5比で輝度が約2倍の高精細パネルを採用している。背面モニターはバリアングル。
EOSシリーズではじめてIEEE802.11ax規格相当に対応。また2025年以降のアップデートによりC2PAフォーマットの来歴記録機能にも対応予定。
新型バッテリー「LP-E6P」
バッテリーパックは、EOS R5 Mark IIの能力を最大限引き出すために最適化したという新型の「LP-E6P」を採用。電池容量はLP-E6NHと同じ2,130mAhで、充電器LC-E6で充電でき、EOS R5 Mark II以外の現行カメラでも利用できる。
EOS R5 Mark IIではLC-E6NHも利用できるが、新型バッテリーのLP-E6Pを使った場合にのみ、8K DCI/8K UHDなどでの記録やHDMI RAW出力、冷却ファンなどが利用できる。
そのほかアクセサリーとして、メガネ着用時にも安定した視線入力を可能にするアイカップ「ER-kE」やDCカプラー「DR-E6P」などを別売りで用意する。
キヤノンフォトハウス銀座など4箇所で、19日11時よりタッチ&トライも開始。こちらの予約は18日10時より専用サイトで受け付ける。そのほか無料のオンラインタッチ&トライ(完全予約制)も実施。