2020年初頭から34万件以上の著作権侵害通知を発信しているにもかかわらず、著作権を侵害するユーザーのネットワーク利用を野放しにしたとして、通信会社大手のVerizonが訴えられました。原告は、ワーナーミュージックやソニー・ミュージックエンタテインメントなど多数のレコード会社です。

2024.07.12 DRAFT Verizon Complaint - gov.uscourts.nysd.624722.1.0.pdf

(PDFファイル)https://storage.courtlistener.com/recap/gov.uscourts.nysd.624722/gov.uscourts.nysd.624722.1.0.pdf

Record labels sue Verizon for not disconnecting pirates’ Internet service | Ars Technica

https://arstechnica.com/tech-policy/2024/07/record-labels-sue-verizon-for-not-disconnecting-pirates-internet-service/



原告らによると、Verizonのネットワークを利用してP2Pで著作権侵害を行う加入者が何万人もおり、原告らはかねてから著作権侵害の通知をVerizonへ送付して対応を求めてきたとのこと。加入者の中には単独で4450件もの通知対象となった悪質な人物もいたそうです。

ところが、原告らいわくVerizonは通知を意図的に無視し、加入者へ引き続きサービスを提供することで多額の利益を得ていたとのこと。こうした行為が著作権侵害に寄与するものとして、原告らは訴訟を提起しました。本件では、通信会社が寄与侵害および代位侵害の要件を満たしているのかが争点となります。



原告らは、「Verizonは著作権侵害の巨大なコミュニティへ故意にサービスを提供している。彼らは『Can you hear me now?』というキャッチコピーで有名だが、著作権者からの苦情には意図的に耳を傾けていないようだ」と痛烈に非難しました。

訴状には、「侵害者のアカウントを停止しなかったことにより、Verizonはアカウントを適切に停止していれば得られなかったであろう不適切な収益を得ており、また侵害者を排除するプログラムを実施しなかったことで会社のコストを節約していた。こうした行為により、Verizonは加入者の著作権侵害行為から明白かつ直接的な金銭的利益を得ていると言える。言い換えれば、侵害者から発生する収益を維持したいがために、Verizonは侵害者を排除しないことにしたのである」などと記されています。