「ねこまんま」はご飯に鰹節? それとも味噌汁?(画像はイメージ)

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 【最近気になる注目ワード・44】パパっと手軽に食べられる「ねこまんま」だが、実は地域によって大きく異なる料理であることをご存じだろうか。どのような違いや背景があるのか、詳しく紹介していこう。

●「鰹節ご飯」か「味噌汁ご飯」の二つに分かれる「ねこまんま」



 「ねこまんま」についてネット上の声を見てみると、関東民からは「ご飯に鰹節のことでしょ」「鰹節ご飯のことをねこまんまって呼んでる。味噌汁かけたものは汁かけご飯じゃない?」といったコメントが。どうやら“ご飯に鰹節をのせたもの”を「ねこまんま」と呼ぶ人が多いようだ。

 一方、関西や北海道、東北では「味噌汁をかけたものをねこまんまって呼んでた」という声が続出。また、地域は不明だが「どちらもねこまんまって呼ぶよね」という意見や「味噌汁ご飯はいぬまんまって呼んでいた」という声も一部見られた。

●地域差を調べてわかった「だし」文化の違い



 どの地域にも鰹節派と味噌汁派は混在しているようだが、関東は鰹節派、関西・北海道・東北は味噌汁派が多いことに何か理由があるのだろうか。デジタル大辞泉で「ねこまんま」を調べてみると、「猫に与える餌。また、米飯に鰹節と醤油、または味噌汁などをかけた人の食事。ねこめし」とあり、どちらもねこまんまと呼ぶことがわかる。ではなぜこのような地域差があるのか、もう少し詳しく調べてみたところ面白いことがわかった。

 「ねこまんま」は元々、その名の通り猫のご飯を指している。キャットフードがなかった時代、人間の残飯をご飯と混ぜて与えることが多かったのだが、昆布で「だし」を取ることが多かった関西は味噌汁を混ぜて食べさせていた。

 一方、昆布が手に入りにくかった関東は鰹節で「だし」を取ることが多く、そのだし殻を混ぜて食べさせていたという。この「だし」の文化が、地域によって異なる「ねこまんま」料理を生んだ一つの要因になったのではないか。

 地域によって思い浮かべる料理が異なる「ねこまんま」。あなたの周りでは、鰹節派と味噌汁派のどちらが多いだろうか。話のネタとして振ってみると、新たな面白い発見があるかもしれない。(フリーライター・井原亘)

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■Profile

井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている