ONIXのOverture XM5

「ポタフェス2024 夏 秋葉原」が13日、ベルサール秋葉原で開幕。会期は14日まで。入場無料で、事前登録なしのフリー入退場。約130ブランドが国内外から集結しており、ここではMUSINやピクセルのブースをレポートする。

MUSIN

MUSINのブースでは、英ONIXの新製品として、クラシカルなチューニングと、ビンテージデザインを採用したという、ブランド初のポータブルオーディオプレーヤー「Overture XM5」を参考展示。

ESSのフラッグシップDAC「ESS9039SPRO」を搭載するほか、「40年に渡り継承されてきたONIXサウンドの“核”となるブリティッシュチューニング」を施したという。

iBasso「DX180」

iBassoからは、Quad DACやハードウェアアナログフィルター技術を採用したDAP「DX180」が登場。7月19日発売で、価格はオープンプライス、店頭予想価格は78,210円前後。筐体色はブルー、グリーン、ブラック。

シーラス・ロジックの「Master HIFI」ラインのDAC「CS43131」を4基搭載。第2世代に進化したFPGA-MASTER 2.0も採用。オーディオシステム・コントローラーとして、SoCへ直接オーディオ・データを要求し、シグナルの再現性と整合性を維持する大きな役割を持ち、2基のNDK製フェムトクロック水晶発振器により、オーディオ・クロック同期・生成し、完全な同期を経たシングル・クロックを実現。

ピコ秒レベルの精密な制御も可能で、DACのクロック、データ調整・制御、FIRフィルターの構築を実行。各DACチップを1クロックずらしてデータストリームを行なう「ディレイ・パラレル」により、2基のDACを独立して制御することが可能。ディレイ・パラレルにより、ハードウェア・アナログFIRフィルターを形成して、複数DAC間の差異をなくすことで、歪みの大幅な低減と、サウンドディテールの向上を両立したという。

さらに、SHANLINGブランドの新たなハイエンドヘッドフォンや、ハイエンドIEMも参考出品している。

SHANLINGハイエンドヘッドフォン

SHANLINGハイエンドIEM

ピクセル

Typ622

MADOOブランドの新製品で、プッシュプル型マイクロプラナードライバー“Ortho(オルソ)”を1基搭載した有線イヤフォン「Typ622」が登場。7月26日発売で、価格はオープンプライス、店頭予想価格は156,450円前後。

Orthoは、MADOOによって完全新規開発されたマイクロプラナーマグネティックドライバーだが、プラナードライバー(平面駆動ドライバー)には、「プッシュプルドライブ」と「シングルドライブ」の2種類の方式があり、Orthoでは前者を採用。組み込みの難易度が高く、イヤフォンに収まる小型軽量化が困難な方式だったものの、熟練エンジニアによって、イヤフォンサイズかつ高品質なプッシュプル型プラナードライバーを実現したという。

ハウジングは、剛性と軽量性を両立するアルミニウム製。MADOOが掲げる「ハウジングの剛性は音質に影響を与える」という設計思想のもと、シェルに十分な厚みを持たせつつ、表面をサンドブラスト処理することで剛性を高め、音質のために妥協しない仕上げを行なっている。ハウジングは金属加工を熟知したエンジニアの手によって設計、高精度の多軸CNC切削機で製造している。

LEPICのイヤーピース「nuon」

LEPICブランドからは、ブランド初のイヤーピース「nuon」が登場。「イヤフォンを固定するためのイヤーピース」、「装着感を高めるために素材にこだわる」、といった進化をしているイヤーピースだが、nuonは「サウンドを積極的にカスタムする」のが特徴で、第三世代イヤーピースと謳われている。

種類としては、AirPods Pro向けの「VOICE +」、有線イヤフォンやTWS向けの「CLEAR」「BOOST」の3種類で、8月頃の発売予定。価格は3,480円前後を予定しているが、アダプタが追加されるVOICE +は、数百円高価になる見込み。

VOICE +は「空間音響の強化、人の声の聞き取りやすさ」、CLEARは「迅速な応答性、クールな高域表現」、「BOOST」は「パワフルでリッチなサウンド」をテーマに開発されており、いずれも3層構造を採用。柔らかさが異なり、イヤフォンのノズルに装着する部分は硬め、その上の部分はテーマとしたサウンドになるような硬さ、耳穴に触れる傘の部分は柔らかくなっている。

色の境目に注目。3層構造になっている

また、断面を見た時の形状も各モデルで異なり、ストレートやラッパ型ではなく、山型のモデルもあるのが特徴。山型とすることで、ノズルから放出された音が、イヤーピースに当たり、それによって音が変化する。また、モデルによってイヤーピースの高さも異なる。

Bris Audio

Bris Audioのブースでは、専用ポータブルアンプがより製品版に近づいた「究極のポータブルオーディオシステム」こと「FUGAKU」が出品。イヤフォン + 専用ポータブルアンプ + 専用ケーブルがセットになったシステムで、価格は250万円。詳細は以前の記事を参照のこと。

さらに、 HIFIMANの平面駆動型ヘッドフォン「SUSVARA」用のヘッドフォンケーブル「BSEP for SUSVARA」も参考出品。発売は近日の予定だという。

BSEP for SUSVARA

ディーアンドエムホールディングス

D&Mは、1階と地下1階にブースを展開。1階では、Bowers & Wilkinsのノイズキャンセリング機能付きワイヤレス・ヘッドフォン「Px8」などを展示しているほか、デノンの完全ワイヤレスイヤフォン「PerL」シリーズを体験できるブースを展開。

ファッションと組み合わせた提案も

Bowers & Wilkinsのヘッドフォン展示

地下では、より静かな環境でPerLを使えるブースが展開されており、医療機器の技術を応用した測定方法を持ち込んだ「Masimo AAT」を使い、ユーザーに最適化したサウンドを体験できるようになっている。

個人最適化を試せる

ハイクラスなヘッドフォンも地下で展示している

その他

Adonis New

QoAのブースでは、有線イヤフォン「Adonis New」を紹介。発売中で、価格はオープンプライス、実売は34,980円前後。アンバサダーを俳優の河内美里さんが担当している。

ドライバー構成は、低域用に新開発の9.2mm QoAカスタムダイナミックドライバーを、中高域用にKnowles製のBAドライバーと、QoAカスタムBAドライバーを搭載。松ぼっくりにレジンを充填して整形し、フェイスプレートとシェルを作っているのも特徴。

Kima2

DUNUからは、片側14BAを搭載した「Kima2」が参考展示。価格は未定だが、700ドル前後のイメージだという。さらに、DUNU初のヘッドフォン「嵐」と組み合わせて、DUNUのヘッドフォンアンプ「V53」も参考展示している。

DUNUのヘッドフォンアンプ

HIFIMANのブースでは、平面駆動型ヘッドフォン「SUSVARA Unveiled」と静電型ヘッドフォンシステム「MINI SHANGRI-LA」が注目を集めている。価格はSUSVARA Unveiledが118万8,000円、MINI SHANGRI-LAはアンプとヘッドフォンのセットが36万9,600円、ヘッドフォン単体が24万2,550円、アンプ単体が17万3,250円。

MINI SHANGRI-LA

LIFEEARブランドを運営するrainbowwのブースでは、Bluetooth搭載で有線/無線ともに使用できるカスタムIME「LIFEEAR Flow」を展示。最先端の3Dプリンタ技術を駆使し、世界初という最短当日納品可能なカスタムIEM。Bluetoothでの無線接続と、MMCXでの有線接続の2Wayでの使用が可能なことや、5万円台(イヤフォン本体)で購入できることも特徴としている。

LIFEEAR Flow

オーディオテクニカのブースでは、重低音が楽しめる「SOLID BASS」シリーズの新モデルで、アクティブノイズキャンセリング機能も搭載した完全ワイヤレスイヤフォン「ATH-CKS30TW+」を紹介。独自設計の9mmドライバーと、空気の流れをコントロールする音響スペースとダクトにより、パワフルな重低音とバランスの取れた中高域を両立。

さらに、イヤフォンを置いたまま、スマホを持って離れた場合、Bluetoothの接続電波が弱くなっていく事を検知して、スマホ画面にアラートを表示する「置き忘れアラート」機能を搭載。紛失前に気がつく事ができる。

ATH-CKS30TW+

ミックスウェーブのブースでは、BeatAudioのハイエンドケーブルを参考出品。価格は未定だが、かなり高価になる見込みで、ケースからも非常にゴージャスな雰囲気が感じられる。他にも、詳細は不明な試作ケーブル2モデルも登場していた。

BeatAudioのハイエンドケーブル

試作ケーブル2モデルも

プラナーマグネティックドライバー(平面磁界型)ドライバーを1基搭載した、世界888台限定のCampfire Audioイヤフォン「Moon Rover」