「Typ622」

ピクセルは、イヤフォンブランド「MADOO」より、プッシュプル型マイクロプラナードライバー“Ortho(オルソ)”を1基搭載した有線イヤフォン「Typ622」を7月26日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は156,450円前後。12日11時より予約受付を開始している。

MADOOブランド第2世代ラインナップの第2弾製品と位置づける。既発売の「Type821」開発の過程で誕生したドライバー・Orthoを、Type821と同じく1基搭載している。

同じドライバー構成ながら、まったく異なるキャラクター性を獲得したといい、「緻密かつ力強く作り込まれた中低音域の響きには、平面駆動方式ならではのレスポンシブなスピード感を備えつつ、同帯域が担うサウンドステージの広がりも充実し、空間表現に優れた迫力のあるライブ感を描写する」という。

さらに「Typ821で高い評価を受けた繊細で高解像度な高音域、ボーカルの息遣いやアコースティック楽器の表情まで感じられるような生々しい表現力を併せ持ち、印象的な中低音域を演出しながらも優れたトータルバランスを誇る」としている。

Orthoは、MADOOによって完全新規開発されたマイクロプラナーマグネティックドライバー。プラナードライバー(平面駆動ドライバー)には、「プッシュプルドライブ」と「シングルドライブ」の2種類の方式があり、Orthoでは前者を採用。組み込みの難易度が高く、イヤフォンに収まる小型軽量化が困難な方式だったものの、熟練エンジニアによって、イヤフォンサイズかつ高品質なプッシュプル型プラナードライバーを実現した。

Typ622に施したチューニングは、きらびやかで繊細な高音域から力強い低音域まで、幅広い表現を得意とするOrthoのポテンシャルをさらに引き出すという。再生周波数帯は20Hz~40kHz、インピーダンスは15Ω、最大入力は5mW(0.4V)。

ハウジングは、剛性と軽量性を両立するアルミニウム製。MADOOが掲げる「ハウジングの剛性は音質に影響を与える」という設計思想のもと、シェルに十分な厚みを持たせつつ、表面をサンドブラスト処理することで剛性を高め、音質のために妥協しない仕上げを行なっている。ハウジングは金属加工を熟知したエンジニアの手によって設計、高精度の多軸CNC切削機で製造している。

形状は、Hi-Fiイヤフォンのメインマーケットである日本、香港、中国、韓国などを中心とした「アジア人の耳」をベースデザインに設計・開発。これまでアジア地域で約3年をかけて採取した300人分の耳型データをもとに、上質なフィット感とデザイン性を両立するハウジングデザインとした。

また、人体に共通する楕円形状の耳穴に適合するため、楕円形状ステムも採用。これにより自然な装着感によってロスを抑え、純度の高い“MADOOサウンド”を提供するという。

イヤフォンには潜水艦や時計の窓をイメージしたデザインが施される

ブランドが掲げる「長年にわたって使用できるイヤフォン」のコンセプトに従い、潜水艦や時計の窓をイメージした重厚なデザインを採用。コンセプトとなる窓の素材にはモース硬度9を誇るサファイアクリスタルを使うことで、通常のガラスやプラスチック材料では持ち得ない耐熱性や耐腐食性、優れた耐久性を実現。

この窓を装備することで生まれる隙間には、スピーカーユニットの背圧を制御する役割もあり、ドライバーのパフォーマンスを最大限に引き出す。MADOO第2世代ラインナップに共通する8角形デザインを踏襲しつつ、Typ622が持つ“重厚な音”を表現するカラーデザインも盛り込んだ。

付属ケーブルは兄弟ブランド「Acoustune」監修のもと、シルバーコート銅線の4芯ケーブルを採用。コネクター部には日本ディックスのPentaconn Earを使っている。製品には3.5mm 3極のL字金メッキブラグ「MRC011」と、4.4mm 5極のL字金メッキプラグ「MRC023」の計2本のケーブルが付属する。長さはどちらも約1.2m。

ケーブルを含めた重さは約40g。シリコンイヤーピース(S/M/L)各1セットやフリーフォームチップ1セット、イヤフォンケースなどが付属する。