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Lifehacker 2024年6月26日掲載の記事より転載

ChatGPTのアップデートで画像認識の性能が格段にアップしました。それに伴い手書きのメモも読み取ってくれるように。

そこで、読み取り機能がどのレベルで使えるか試してみました。

万能ではないが条件付きで使える機能

結論から言うと、どんな手書きの文字でも必ずしも読み取れるわけではありません。

まずこれまで記録したノートを見返して、記事の構成メモを撮ってChatGPTに送ってみました。

思いのほか、自分の字が乱雑に書かれていたこともあって、意図していた通りには読み取ってもらえていません。色々試してみましたが、1番精度が高かった画像は以下です。

7割は読み取れている印象です。完全にテキスト化するなら、もう少しはっきり整った字で書く必要がありそうです。

短文なら忠実にテキスト化できそう

次に、お客様アンケートやワークショップなどのアンケートの集約で活用できないかどうか試してみました。

実験するために、作成したアンケートに手書きで選択肢にマルをつけ、自由記述欄にも一言ずつ記入しました。

今回はChatGPTに5枚読み取ってもらいました。

正確に読み取っているように見えますが、すべてを完璧に読みれているわけではありませんでした。

記述式でも短ければ読み取れる

一方で、記述式の内容はほとんど正確に読み取っていました。

「データ」と書いた部分が「デジタル」に変わっていますが、テキストで読んでも意味はわかります。ちなみに、ペンの色を変えたり、走り書きで書いたりした文章もありますが、読み取れています。

短い文章の読み取りなら精度が上がるのかもしれません。

単語の整理や分類はできそう

最後はマインドマップのようなメモの場合です。単語の羅列はほぼ読み取り、分類してくれました。

チャートで出力も可能

ただ、プロンプトでアウトプットが変わります。「これを図に表してください」と入力すると、以下のようなチャートが出力されます。

メモのイメージに近い図に切り替えることもできるのですが、日本語の表記には対応していないようです。

きれいに書いた文字ならほぼ正確

以上のことから、現在のChatGPTの性能で、手書きのメモを読み込ませて活用するためには、ある程度読みやすい字で書かれていることが大前提。少し丁寧に書いたメモを写真に撮って読み込んでもらいました。

最初の文章の「大きめ」が「大まめ」になり、最後の「確実」が「正確」に変わっていますが、ほぼ正しく読み取っています。

というわけで、以下のような場面で手書きのメモを読み取れば、効果的に活用できるかもしれません。

・付箋のような小さめの用紙に書かれたメモを読み取る

・自由記述式アンケートのテキスト化

・手書きの1人ブレストの内容を整理

現時点では、どんな文字でも正しく読み取ってくれるとは限りません。しかし、これからも生成AIは驚くべきスピードで変化していくことが予想されます。乱雑な字でも認識できる日はそう遠くないのかもしれません。

Photo: 重田信