ZV-E10 II

ソニーは、APS-Cサイズのセンサー搭載VLOGCAM「ZV-E10 II」を8月2日に発売する。カラーはブラックとホワイトの2色。価格は各オープンプライスで、ラインナップと店頭予想価格は、ボディのみが153,000円前後、パワーズームレンズキットが164,000円前後、ダブルズームレンズキットが186,000円前後。発売に先駆け、7月17日より受注受付を開始する。なお、前機種「ZV-E10」は併売となる。

また、パワーズームレンズキットに付属するレンズが刷新。AF性能が強化され、ブリージング補正機能も備えた「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II」が付属する。レンズ単体でも販売し、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は約35,000円前後。ZV-E10 IIのキットの場合、本体カラーホワイトを選択すると、レンズはシルバーが付属するが、単体販売はブラックのみとなる。ZV-E10 IIと同じく8月2日発売で、7月17日より予約受付を開始する。

なお、ダブルズームレンズキットに付属する望遠ズームレンズは従来同様の「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」。

ZV-E10 II

ブラック(左)、ホワイト(右)

2021年に発売されたVLOGCAM ZV-E10の後継機。有効約2,600万画素のAPS-Cサイズの裏面照射型Exmor Rセンサーを搭載。画像処理エンジンはBIONZ XRを採用し、前機種から約8倍の高速処理ができるようになり、「α7 IV」相当のAF性能を装備。リアルタイムトラッキングにも対応する。

動画撮影面での主な進化は、5.6Kオーバーサンプリングによる4K60pでの撮影に対応。4K30pまでは6Kオーバーサンプリングで撮影できる。カラーサンプリングも4:2:2 10bitに対応。記録方式も従来のXAVC Sに加え、XAVC HS/S-Iでの撮影が可能になった。

これらの高機能化によりZV-E10 IIは、前機種ZV-E10と同じベーシックラインの位置づけではなく、「α6700」などのハイエンド機との中間となるスタンダードラインという新しい位置づけで展開。軽量コンパクトで手に取りやすいカメラとして人気のあるZV-E10はそのまま併売になるとのこと。

位相差AFとコントラストAFで被写体を素早く正確にとらえる、ファストハイブリッドAFに対応。4K60pでの動画撮影時は最大495位相差点の約92%をカバー。静止画では最大759の位相検出ポイントの約93%をカバーする。リアルタイム瞳AFは、人、動物、鳥に対応。枠内で動く被写体にピントを合わせ続けるリアルタイムトラッキングにも対応する。AF/AE追随の連続撮影は最大11コマ/秒。

S-Cinetone、クリエイティブルック、Cinematic Vlog設定など、上位機種「ZV-E1」に搭載している機能も装備。カメラ内で好みの色合いや雰囲気を設定して、好みの雰囲気の静止画や動画を手軽に撮影できる。Cinematic Vlog設定では、アスペクト比が2.35:1、フレームレートが24pに固定され、5つのLooksと4つのMoodsを組み合わせて、映画のような映像を直感的に撮影できる。

S-Log3でのLog撮影も可能で、LUTインポート機能を新たに搭載した。

4Kで最大2.5倍スローモーション、フルHDで最大5倍スローモーションが撮影できるスロー&クイック(S&Q)や、1秒から60秒まで設定できるタイムラプス撮影なども引き続き行なえる。なお4K撮影時のタイムラプスの最大露出間隔は6秒。

動画撮影時の電子式手ブレ補正を搭載し「アクティブモード」も引き続き装備。設定すると、撮影画角が少し狭くなるが、ブレの少ない安定した映像が撮影できる。S&Qを含むフレームレート120fpsの撮影では使用できない。

新たに、ピント合わせによる画角の変化を抑えるレンズブリージング補正機能も搭載し、より安定した手持ち撮影が可能になった。

静止画動画ともにISO感度100~32000を実現し、暗所での撮影において低ノイズを実現。静止画では拡張ISO 50~102400も設定できる。なお動画撮影時、手ブレ補正のアクティブモード使用時はISOの設定範囲が100~6400になる。

本体内蔵マイクはZV-E1と同じ3指向性カプセルマイクを採用。前方、全方向、後方に指向性を変更できるほか、撮影時の音の発生源に合わせて自動で前方と全方向を切り替えるオートが利用できる。デジタルオーディオインターフェイス内蔵でMIシューも引き続き装備。音声をデジタル信号のままダイレクトにカメラに伝送し、劣化のない高音質録音が行なえる。

スマホとの連携は、「Creators’ App」アプリを使用。Wi-Fiは5GHz、SuperSpeed USB 5Gbpsに対応し、撮影した映像をスマホに高速転送できる。また、ライブストリーミングにも対応する。

フルサイズ機と同じZバッテリー「NP-FZ100」に対応。実動画撮影時間は従来の約80分から、約130分に伸び、ユーザーから要望が多かったという高スタミナ化を実現した。一方、本体の外形寸法はグリップ部を除いてほぼ同じ外形寸法114.8×54.2×67.5mm(幅×奥行き×高さ)を実現。バッテリーを除いた重量は7g軽い292gとなったほか、バッテリーを入れた状態でも、グリップのホールド感が向上したことで、ほぼ同等の重量感となっている。

引き続きバリアングル液晶を採用。ヘッドフォン/マイク端子などの配置が調整され、ケーブル類を繋いだ状態でモニターを動かしても干渉しないようになった。また、SDカードの挿入位置も従来のバッテリー付近から、ボディ側面に変更。ほかのαシリーズと同じ位置になり、サブ機としての使いやすさも向上している。

左がZV-E10 II。ヘッドフォンとマイクの端子部が本体正面側に揃う用に移動

蓋が開いた状態でも液晶が干渉しなくなった

メニューなどのUIがほかのBIONZ XR機と同じものになり、タッチでの操作がより直感的に行なえるようになった。また、縦位置での撮影時に、アイコンなどのレイアウトが縦用に切り替わり、縦表示で操作しやすくなった。

レコーディングランプも従来のレンズ付近から、本体の上部のより目立つ位置に移動。そのほか、本体のボタンレイアウトも大きく変更され、制止画/動画/S&Qのスイッチがスライド式に、電源も他のαシリーズ同様にシャッターボタン側へ移動。また、ホワイトについては前機種はダイヤル部にシルバーを採用してアクセントとしていたが、ZV-E10 IIではホワイト一色で統一感を出した。

ZV-E10 II(左)とZV-E10(右)

ZV-E10 II(左)とZV-E10(右)

ZV-E10 II(左)とZV-E10(右)

別売のBluetoothグリップを付けたところ

E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II

装着されているのがE PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II。左からブラック、シルバー(キット限定色)

2013年に発売された「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」の後継となるAPS-C用標準パワーズームレンズ。35mmフルサイズ判換算で24~75mm相当の焦点距離をカバーする。最新のαシリーズの性能を引き出すAF性能や連写への対応、ブリージング補正などの動画性能を備えたのが特徴。

前機種からの進化点は、ズーム中にもAF追随が可能になったことと、ブリージング補正に対応したこと。さらに、将来的なカメラボディの機能向上を見据え、「α9 III」の約120コマ/秒連写に対応。ボディ・レンズ協調制御による手ブレ補正といった、ZV-E10 IIでは非搭載の機能にも対応している。

キット限定色のシルバーは、外観を従来と異なるマットな仕上げに変更。ホワイトのボディとより一体感のあるデザインに仕上げたという。ホワイトのZV-E10 II側のレンズ装着部も同じくマットな仕上げになっている。

フィルター径は40.5mm。外形寸法は66×31.3(直径×高さ)。重量は107g。