“大音量ド派手”広告トラック 都の規制強化で異変 都外ナンバーもNGに…効果は?

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 繁華街などを大音量で走行する広告トラック。よく見る光景ですが、先月30日、東京都でこうした広告トラックの規制が強化されました。しかし、規制を巡ってはいたちごっこの歴史もあり、今回どうなるのか注目されています。

【画像】歌舞伎町にオープン予定の店 指摘受けデザイン変更「文字だけです」

外国人観光客にとっても驚きの光景

 強い光に派手なデザイン。大きな音を流す大型トラックなどの広告宣伝車。ホストクラブやアーティストなどの情報を宣伝する目的で繁華街を周回します。

 1台通ったかと思うと、また1台。渋谷駅前のスクランブル交差点を中心に行き交います。

 好きなアーティストの広告トラックにカメラを向ける人の姿もありました。

 そんな広告宣伝車ですが、問題視する声が多く上がっています。

息子が小学生の人
「子どもと一緒にいる時に、(車から流れる)歌を覚えて歌うので、それが何とも」配送業の人
「結構チカチカして、そっちに意識が集中してしまう」卸売業の人
「デカいから幅取るじゃん。ゆっくり走られたら、追い抜けないし、じゃまくさいんだよ」

 人気観光地でもある渋谷。訪れた外国人観光客にとっても驚きの光景です。

イスラエルからの観光客
「トラックが通り掛かる時、かなり音が大きい」アメリカからの観光客
「私はカナダで生まれて、アメリカに住んでいます。しかし、こんなトラックは見たことがありません」■規制設けるも抜け道が…いたちごっこに

 1週間前の先月23日、きらびやかな渋谷のネオンサインよりもっと明るい光を放ちながら横断する広告トラック。午後8時までの30分間で20台が通過しました。

 しかし、先月30日は…わずか5台。広告トラックが激減しました。

 これは、30日から始まった都の規制強化が影響しています。

 東京都はこれまで、景観の問題や交通事故を誘発する可能性があることから、LEDビジョンなどの禁止やデザイン審査などの規制を設けてきました。ただし、その対象は都内のナンバーの広告宣伝車だけだったので、こんな抜け道がありました。

 大きな音が流れているトラックのナンバーは、横浜ナンバーです。

都の審議会メンバー 小池知子弁護士
「都の条例をかいくぐって、都の規制より他の自治体の規制の方が緩かったりするので、緩い規制のところで広告物の許可をとって、東京都を通過して」

 いたちごっことなっていたこの問題を解決するため、都は都内を走行するすべての広告宣伝車に規制の対象を拡大したのです。

 その効果は、別の繁華街でも見られました。

 規制対象前は新宿の通りにLEDを使った広告宣伝車が多く走っていて渋滞になっていましたが、先月30日は減っているように見えます。

■派手なデザインから文字だけのシンプルに

 今月、歌舞伎町にオープン予定の飲食店は大胆なデザイン変更を行っていました。

EMPIRE みゆうオーナー
「これが結局、走らせることになったトラックです」
「(Q.文字だけですか?)文字だけですね」

 都内を走らせる予定の広告トラックは、白色の背景に店名、オープン日を書いただけのシンプルなデザイン。当初は派手なデザインを想定していましたが、都の審査機関から背景の色や文字の量など、細かく指摘が入ったといいます。

みゆうオーナー
「人物の画像が大きすぎるので、この赤枠が僕らが写っているんですけど、青枠まで小さくしてくれと指摘されました」

 こうしたことから、あえてシンプルなトラックにして審査を通過させ、1週間走らせることにしています。

 規制が強化された広告宣伝車。SNS上では、この規制の抜け道として看板を載せた自転車や牽引(けんいん)する車の目撃が投稿されていますが、都は車両本体以外に広告物を付けることは、そもそも認められていないとしています。

(「グッド!モーニング」2024年7月1日放送分より)