濃厚な濡れ場もポップな日常パートも魅力的ではあるが、2話で一子の実家に夫婦で訪れたシーンの雰囲気もたまらない。一子の母親・山根奈々(風吹ジュン)と一子は関係が良好とは言えず、奈々は「あんたのその喋り方と目の座り方、あの人と同じ」と苦言を呈すように話し、DV気質だった亡き夫と一子を重ねる。これに一子は「あの人がDVクズなのはわかるけど、私はその遺伝子半分受け継いじゃってんの」「でもそれ、私のせいじゃないから」「結婚生活解消できるのにそうしなかったのは自分の選択でしょ?」と反論。2人が笑い合うことはなく、ただただ重苦しい空気が流れた。

 愛情たっぷりに育てられたわけでもなく、かといって凄惨な虐待を受けたわけでもない。そんな相容れない親子の絶妙な距離感がリアルに映し出されており、しっかりと嫌な気持ちになった。いろいろな空気感が味わえ、なにより公認不倫といういびつな制度を通して夫婦の向き合い方を示す『1122 いいふうふ』。どのような結末を迎えるか気になって仕方ない。

<文/望月悠木>

【望月悠木】
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki