クラウドサービスやインターネット事業を通じてアメリカ人のデータにアクセスし、中国政府に提供している懸念があるとして、チャイナ・モバイル、チャイナ・テレコム、チャイナ・ユニコムの3社がアメリカ商務省の調査対象になっていると報じられました。

Exclusive: US probing China Telecom, China Mobile over internet, cloud risks | Reuters

https://www.reuters.com/business/media-telecom/us-probing-china-telecom-china-mobile-over-internet-cloud-risks-2024-06-25/



ロイターによると、対象の3社はクラウドサービス等の事業を展開する中でデータを中国に渡している疑いが持たれているとのことです。特にチャイナ・モバイルが所有しているカリフォルニアのデータセンターの一部について、商務省関係者は懸念しているとのこと。

関係者によると、商務省は懸念にどう対処するかまだ決定していないとのことですが、商務省には敵対国の企業が国内で展開するインターネットサービスを調査する権限があり、最終的には各企業のサービスをブロックする可能性も視野に入れているとのことです。



チャイナ・テレコム、チャイナ・モバイル、チャイナ・ユニコムは、以前からアメリカ政府の調査対象になってきました。2019年には連邦通信委員会が電話サービスの提供申請を却下し、チャイナ・テレコムとチャイナ・ユニコムはそれぞれ2021年と2022年に電話サービスを提供するライセンスが取り消されました。連邦通信委員会がこの決定を下した要因のひとつは、チャイナ・テレコムが中国を経由するインターネットトラフィックを誤って迂回させ、傍受されたり、操作されたり、意図した宛先に届かないようにブロックされたりする危険性がある事例が少なくとも9件あったという政府機関からの報告だったとされています。

チャイナ・テレコムがインターネットのトラフィックを誤誘導・傍受し続けている - GIGAZINE



by chuttersnap

チャイナ・テレコムは決定を覆すよう求めましたが、控訴裁判所は「中国政府がスパイ行為や妨害行為の媒介として企業を利用する可能性があるという、説得力のある証拠が示された」と指摘し、その主張を退けました。

また、中国の通信会社はアメリカに8つのPoint of presence(POP)を持っていますが、これについても国家安全保障および法執行上の重大なリスクが生じるとして、連邦通信委員会が懸念を示しています。



商務省が調査しているとの報道に対し、ワシントンの中国大使館は「偽りの口実で中国企業を弾圧するのはやめてほしい」とのコメントを寄せました。