NetflixやHulu、Amazonプライム・ビデオといった映像ストリーミングサービスで配信されているTVドラマや映画の合計数を超えるコンテンツを違法に配信していた海賊版ストリーミングサービス「Jetflicks」を運営していた5人の男性に、有罪判決が下されました。

Office of Public Affairs | Five Men Convicted for Operating Major Illegal Streaming Service | United States Department of Justice

https://www.justice.gov/opa/pr/five-men-convicted-operating-major-illegal-streaming-service



Five Men Convicted of Operating Illegal Streaming Service Jetflicks

https://variety.com/2024/digital/news/five-men-convicted-jetflicks-illegal-streaming-service-1236044194/

「Jetflicks」はPirate BayやTorrentzなどのTorrentファイル検索データベースを用いて違法に共有された動画コンテンツを自動化プログラムで入手し、ブラウザ・スマートフォン・タブレット・ゲーム機・スマートテレビなどで閲覧できるようにして配信していた違法ストリーミングサービスです。月額9.99ドル(約1100円)で18万3200点以上のコンテンツが見られると宣伝されており、これはNetflixやHulu、Amazonプライム・ビデオといったサービスで配信されているコンテンツの総数を超えます。そんなJetflicksの運営者である男女8人が、2019年にアメリカの司法省から著作権法違反および共謀罪で起訴されました。

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そして2024年6月に入って、ラスベガスにある連邦地方裁判所の陪審が、Jetflicksの運営に携わっていた5人の男性に対して有罪判決を下しました。有罪判決を下されたのは、クリストファー・ダルマン、ダグラス・コーソン、フェリペ・ガルシア、ジャレッド・ハウレキ、ピーター・フーバーの5人です。

裁判所文書によると、JetflicksはNetflix、Hulu、Vudu、Amazonプライム・ビデオを合わせたよりも多くのコンテンツを違法に配信しており、数億円規模の収入を生み出したそうです。Jetflicksの運営者を起訴したアメリカ司法省は、「テレビ番組の著作権所有者に多大な損害を与えた」と、運営者たちを批判しています。

5人は著作権法違反と共謀罪で有罪判決を下されていますが、ダルマンはこれに加えてマネーロンダリング隠ぺい罪2件と著作権侵害罪3件でも有罪判決を下されています。司法省によると、ダルマンは最高で懲役48年、クールソン、ガルシア、ハウレキ、フーバーはそれぞれ最高で懲役5年が科せられることとなるそうです。



連邦検察官によると、著作権所有者からの苦情や決済サービスプロバイダーとの問題により、Jetflicksは倒産の危機に瀕したことがあるそうですが、この時被告らは「Jetflicksを航空エンターテイメント会社に偽装しようとした」そうです。

アメリカ司法省のニコル・アルジェンティエリ主席副司法次官は、2024年6月20日に「被告らは、盗んだテレビ番組のエピソード数十万本を配信するため、違法ストリーミングサービスのJetflicksを運営していました。彼らの計画は、著作権所有者に損害を与える一方で、数百万ドルもの違法な収益を生み出しました。今回の有罪判決は、デジタル著作権侵害計画を起訴し、犯罪者を法の裁きにかけることで知的財産権を保護するという司法省の取り組みを強調するものです」という声明を出しています。

今回の判決に対して、アメリカ映画協会のヴァイスプレジデント兼国際法務顧問のカリン・テンプル氏は、「知的財産権の画期的な勝利」「アメリカ映画協会は、著作権を侵害して不法に利益を得た5人の個人を司法省が起訴したことを称賛します」「陪審の有罪判決は、この種の犯罪の性質と、クリエイティブ業界、そしてセットデザイナー、ケータリング業者、ヘアメイクアップアーティスト、カメラマンなど、業界の重要な役割で生計を立てている何万人もの労働者に引き起こされた重大な損害を強調しています」とコメントしています。