アジアカップ準優勝のヨルダンはW杯に届くかも? アジア2次予選でサウジアラビアまで撃破して首位通過の脅威
アジアカップ準優勝の実力は、やはり本物なのだろうか。
今年1月にカタールで開催されたアジアカップで大きな注目を集めたのは、ヨルダン代表だ。大会前の注目度は高くなかったが、ヨルダンは準決勝で韓国まで撃破してファイナルへ進出。決勝では惜しくもカタールに敗れたが、ヨルダンの戦いは非常に印象的だった。
その流れは今月まで開催されていた2026ワールドカップ・アジア2次予選でも続いている。この2次予選でグループGに入っていたヨルダンは、最終節でロベルト・マンチーニ率いるサウジアラビアをアウェイで2-1と撃破。勝ち点13を稼ぎ、サウジアラビアを抑えて首位通過を決めたのだ。
スペイン『SPORT』もこの勢いに驚いており、チームではアジアカップでも活躍した25歳のFWヤザン・アル・ナイマト、貴重な海外組であるモンペリエFWムサ・アル・ターマリらが今も躍動している。
チームのフィジカルトレーナーを務めるカリム・マルーシュ氏は、今のヨルダンをEURO2004を制したギリシャ代表と重ねている。当時のEURO2004をギリシャが制すると予想する者はほとんどいなかったが、ギリシャは粘り強い戦いで欧州の頂点に立った。代表メジャートーナメントの歴史でもサプライズの代表例に挙げられるチームだ。確かにアジアカップにおけるヨルダンの躍進には、それと近い空気感があったかもしれない。
「アジアカップやワールドカップといった代表の短期決戦においては、チームの伝統や資金力に関係なく、常にサプライズがあるものだ。2004年にギリシャがEUROを制したようにね。今年のアジアカップでは我々ヨルダンだ。決勝のカタール戦も相手に3つのPKが与えられていなければ、我々がチャンピオンになっていたかもしれないよ」
サウジアラビアも2位で2次予選通過を決めたとはいえ、ホームで負けたのは後味が悪い。もはやヨルダンは単なるサプライズチームではなく、アジアの全てのチームを撃破するだけの力を備えた強敵と評価すべきだろう。最終予選でも注目のチームとなりそうで、ワールドカップ出場も視界に入ってきたか。