Image: Humane

期待を一身に浴びて登場するも、発売開始後に実際に使ってみたユーザーからは「動作が遅い」「使える機能がない」「動作しないときすらある」などと、酷評の嵐である「Humane AI Pin」。

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元アップルの開発者2名が率いるこちらのプロダクトの会社ですが、さっそく10億ドル(約1,570億円)の売却話が浮上しているようです。

Bloombergが入手した情報によると、Humaneはファイナンシャルアドバイザーと共に会社売却の方向性で進めているとのこと。売却希望価格は7億5,000万ドルから10億ドルの間ですが、この話はまだスタートラインに立ったばかりのようです。

本件についてHumaneに問い合わせましたが、返事はこず…。

The Informationによると、AI Pinの発売前のHumane社の評価額は8億5,000万ドル(約1,335億円)とされていました。これはAI Pinが、スマホに代わる次世代端末と期待したベンチャーキャピタルから多額の投資を獲得した結果の評価額。OpenAIのCEO、サム・アルトマンも支持していたんですよね。

4月、HumaneはAI Pinをついに市場に投入。早くて簡単、AIベースの音声機能とプロジェクションUI機能を搭載し、スクロール不要で電話やテキストで人と連絡をとったり、周囲環境を学習したり、さまざまなことをできると期待に満ち溢れる感じで登場したのでした。

Humane AI Pin、満を持して登場するも…

Humaneは、元アップルのイムラン・チャウドリーとベサニー・ボンジョルノの夫婦によって設立されました。彼らは「スワイプでロック解除」する機能開発に携わっていたそう。会社設立後数年間で、数多くのプロトタイプを開発してきましたが、そんな矢先にLLM革命*が到来、2022年から2023年の間でプロダクトのプロトタイプは急に小さくなったり。

*大規模言語モデル(LLM:Large language Models):ChatGPTを代表とする、大量のデータとディープラーニング(深層学習)技術によって構築された言語モデル。

そしてついに製品化。この小ささながら、音声コントロールができて、ユーザーの手に投影するというプロジェクションUIを備えているものでした。

しかしいざユーザーが使い始めると「反応が遅すぎる」「ホログラムが使えない」「直射日光の下では何も見えない」と酷評されはじめます。

AI性能についても、事実を間違えたり、ビジョン内のオブジェクトも誤認したりと散々。また過熱しやすく、終日着用するシチュエーションが想定されているはずが、バッテリーもすぐに切れてしまうらしいです。

Humaneは、製品出荷時には搭載されなかったカレンダー、タイマー、時計との連携を追加するための更新を夏までに行うと約束。さらに、ユーザーが現実の世界で見た商品をデジタルショッピングカートに追加できる「ビジュアルショッピング」等の先進的な機能も搭載すると言っています。最近では、Humaneは現在のCosmoOSにOpenAIのGPT-4oを追加しました。

そしていかにLLMを搭載しようとも、製品価格の700ドル(約11万円)はスマホ並みに高額なのと、データプランは毎月24ドル(約3800円)かかるというのも、なかなかつらいものがあります。

最先端の酷評AIデバイスとしては、「Rabbit R1」パイセンもいます。ギズモードでも散々なレビューでした。

スマホのハードウェア的な進化も頭打ち、そんなさなかにLLM革命がやってきて、スマホを超えたい次世代なデバイスが登場してきたわけですが、まだまだ手応えはつかめない過渡期ですね。

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