とちぎテレビ

栃木県と市や町、それに畜産関係団体などで作る豚熱の感染拡大の防止対策を話し合う協議会は２１日、今年度の総会を開き、野生イノシシの生息域への経口ワクチンの散布を強化することを決めました。

県内における野生イノシシへの豚熱の感染状況は那須塩原市で２０２０年１１月に初めて見つかってから今年５月１５日の時点までに、山林がある県の北東部や南西部を中心に１５の市と町で合わせて１５０頭が確認されています。陽性率は、２０２１年度をピークに減少傾向にあるものの、その後も継続して県内と隣接県で感染が確認され養豚場にウイルスが侵入するリスクは依然として高い状況にあります。

そのため今年度は、県内にある２５の全ての市と町を対象に、イノシシの生息域でまだワクチンが撒かれていなかった地域や県境地域への地上散布を強化し、昨年度の２６０地点から３２０地点に増やします。農場周辺の２８０地点での散布も継続し、５月下旬から７月にかけてと、１１月から来年３月にかけての前期と後期に分けて、それぞれ２回ずつの合わせて４回行います。人の立ち入りが難しい場所への空中散布は、１１月頃に行う予定です。

県内の養豚場での豚熱は直近で今年２月に栃木市で５例目が発生していて、２０２１年に初確認されて以降、合わせて９万８千頭余りが殺処分されています。