まさかの指摘だ サウジ王族がぶち上げた井上尚弥vsデービスに米メディアが“いちゃもん”「イノウエにとって大きなリスクだ」

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2階級での4団体統一など様々な快挙をやってのけてきた井上。その強さを一部の米メディアは一向に認めようとしない。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 実現させれば、業界でも話題沸騰となるメガ興行となるのは必至だ。ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)と、WBA世界ライト級王者のガーボンタ・デービス(米国)の対戦だ。

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 3階級差もある両雄のマッチメイクが話題沸騰となるキッカケとなったのは、ボクシング界で存在感を強めている中東の大物が発した発言だ。サウジアラビアの娯楽庁の長官のトゥルキ・アラルシク氏は、米格闘技専門メディア『MMA Hour』のインタビューで「もしも、デービスが賢くなれるのであれば、やりたいのはナオヤ・イノウエとの試合だ。これは私が好むドリームファイト。彼らが適正体重で適切な提案をしてくれれば、それを私は実現できる」と断言したのだ。

 先述したように井上とデービスの体重差(5.89キロ)を考えれば、階級を重んじるボクシングにおいては非現実的なカードだ。ただ、王族の有する潤沢な石油マネーを背景に次々とビッグマッチを誘致させているアラルシク氏ならば、「実現できる」という言葉の説得力も増してくる。実際、大橋秀行会長もサウジアラビア主催の興行となった場合の収入が「倍ではきかない」とも明かす。

 20億円超のファイトマネーなら魅力はある。ゆえにサウジアラビアの王族が発信した仰天発言は、“ボクシングの本場”でも一大トピックとなった。米専門サイト『Boxing News24』は、アラルシク氏がぶち上げた野望について「多くの説得が必要になる」と断言。そのうえで、階級上げに慎重姿勢を貫いている井上を煽るように独自の見解を記している。

「イノウエは日本のビッグスターであるが、無名の相手と戦い、大金を稼いでいる。KOできる可能性がある相手と戦うことは、イノウエにとってキャリアを揺るがす大きなリスクになるだろう。今のところ、彼の経歴でまともだったのは40歳のノニト・ドネアだけだ」

 さらにデービス側の立場にも立ち、「イノウエに試合契約を承諾させるために、気絶するほど身体を縮めるつもりはないだろう」と断言する同メディアは、「もし、イノウエがデービスとの対戦に応じれば、彼はキャリアで初めて本物の殺し屋と対戦することになる」と強調している。

「才能あふれるデービスとの戦いはイノウエにとってリスクのある勝負だ。カリスマ的な人気に危険を及ぼすかもしれない。そもそもイノウエがフェザー転級にも消極的なのは、彼に悪夢を見せる可能性のあるファイターが数多くいるからだ」

 そもそもが想像の域を出ないデービスとの勝負とフェザー転級は全く別軸の問題。もはや、日進月歩で進化を続ける井上に対する“いちゃもん”としか言いようがない指摘だ。これもスーパースターの宿命なのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]