パンダドラゴン

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パンダドラゴン 6周年イベント~れぺぜん・かわいい・じゃぱん!~
2024.4.22 大田区民ホール アプリコ 大ホール

目指すのは「アイドルのてっぺん」! 超満員の会場で見たパンダドラゴンの6年間の軌跡は、それが夢物語ではないことを示す、確かな希望だった。

6人組ボーイズアイドルグループ・パンダドラゴンが、2024年4月22日に大田区民ホール アプリコ 大ホールで『パンダドラゴン 6周年イベント~れぺぜん・かわいい・じゃぱん!~』を開催。周年ならではの特別な想いがぎゅっと詰まった、愛溢れるライブの模様をレポートする。

祭りの開幕を感じさせる映像がモニターに映し出されると、新衣装を身に纏ったメンバーが、スポットライトに照らされて1人ずつ登場。全体的に“和”テイストの衣装だが、メンバーカラーの鮮やかで様々な模様の布がパッチワークのように縫合されていて、それぞれのキャラクターに合わせて、ファーや手袋のワンポイントがあったり、腕出しスタイルになっていたりなど、全ての要素が驚くほど抜かりない。“じゃぱん”のアイドルだからこそ着こなせる、和とKAWAIIが合わさったデザインは、まさに今回「れぺぜん・かわいい・じゃぱん!」を背負って立つパンダドラゴンにぴったりの一張羅だ。

パンダドラゴン

歓声やどよめきなど、客席にも様々な感情が浮かぶ中、記念すべき6周年イベントで先陣を切ったのは、4月リリースの新曲「じゃぱかわんだほ~」。既に何度かライブで披露しているナンバーだが、新衣装では初お披露目となった。周年イベントということもあり、初めから気合の滲む表情で魅せる彼らに、1曲目から鳥肌と期待が止まらない。今回も「最高」が更新されることを確信させられる。

勢いそのままに、「ぽっぴんLOVE☆」「ダイスキ☆シンドローム」「Chuるりら♪」の3曲を続けて披露。真っすぐ、純粋に、何よりもとびきりキュートに愛と<ダイスキ!>を伝えてくれる、これぞパンダドラゴンのセレクトが嬉しい。そして、その想いを受け取ったヴィーナス・ゼウスの弾けるようなコールアンドレスポンス、振りに合わせて揺れるペンライト。相思相愛で紡いできた絆の強さには、思わず目頭が熱くなる。

なるき

MCではまず何よりも先に、パンダドラゴンの6歳をみんなでお祝い! 会場に響き渡る大きな「おめでとう!」の声と、それを噛みしめるように「ありがとう」「みんなとの記念日ですから」と返す6人。やっぱり、記念日のこの景色は特別だ。

いつもながら天才的なステージセットを紹介した後は、“アイドルのてっぺんを獲る”と称し、後ろにそびえ立つ富士山のセットに向かって階段を駆け上るメンバーたち。パンダドラゴンの年にする決意を改めて会場の全員と確かめ合い、「PANDA DRAGON∞~希望の空へ~」へ。

ようた

曲中に散りばめられた1人ひとりの個性を表すフレーズを聴いていると、彼らがアイドルとして出会い、同じ夢を見てステージに立っていることの奇跡に思いを馳せてしまう。<あの日  人生の分かれ道 変わりたい…  そう願ったから!>周年のステージでのこの歌詞は、いつもよりも特別に輝いているように思えた。

6人が希望の空へ手を掲げ曲が終わると、空から桜の花びらが舞い落ちてくる演出が。先ほどまでのハッピー溢れるパフォーマンスから一転、降り注ぐ花びらの中、ユニゾンで聴かせる「恋、サクラ前線。」をアコースティックVerで披露。繊細な声色と表情で一気に雰囲気を塗り替え、続けて「桜Ambitious」へ。ステージ一面の桜の花びらが、今度は6人の軽快なステップで舞い上がる。色んな想いが詰まった<大切な 僕の仲間(ひかり) 僕の希望 それだけは変わらないから>というフレーズを今、とびきりの笑顔で歌うことが、とてもパンダドラゴンらしい。

ぱっち

ステージ上から一度メンバーが捌け、モニターには突然集められた6人の姿が。この幕間映像はYouTubeでも公開予定とのことでネタバレは避けるが、突然の奇声、幾度となく入り込む無の境地、疑心暗鬼の「みんなこれ好き!?」、魔人の大暴れ、仲間同士の裏切りなど……パンダドラゴンといえばのわちゃわちゃ感はもちろんのこと、予告なしで流れる音源にもアイドルとしてさすがの対応力を見せるメンバーの様子は見ごたえたっぷり。正直、かなり“面白すぎた”ので、界隈外でも話題になることを期待したい。

映像が終わると、先ほどまでの空気をまた一変させる、古い洋館を彷彿とさせるような怪しげなメロディが。儚げな表情と指先まで意識されたしなやかな振りに思わず息を飲んでしまう「Sweet Strange Parede」をはじめとした、妖艶でクールな雰囲気の3曲を披露。

あづ

一連の流れで客席の情緒が迷子になっていたことはステージ上にも伝わっていたようで、曲終わりのMCでは客席に「情緒がおかしいですか~!?」と元気に問いかけるぱっち。それに「イエーイ!」と返すのが、数々の歴戦を潜り抜けてきたヴィーナス・ゼウスである。

話の流れで「今年は全身タイツをいっぱい着ていきたい」という謎の宣言がありつつ、そんなこともできるようになった6周年を振り返り「僕たちまだまだ叶えたい夢いっぱいありますよね?」「みんなも一緒に叶えてくれますか?」となるきが語りかけると、天井から“神社によくあるヤツ”が降臨。メンバーそれぞれが真っすぐな眼差しで語った「願い事」には、これからを歩んでいくためのお守りのような想いが輝いていた。

パンダドラゴン

「みんなの夢がどうかどうか、叶いますように!」パンダドラゴン全員の声が合わさり、会場の願いすべてを込めて6人が鐘を鳴らした瞬間、デビューシングルである「恋してBAILA!」のイントロが響き渡る。モニターには曲名とリリース日が映し出され、そこからノンストップ、怒涛のシングルメドレーがスタート。

ライブ終盤にも関わらず、曲調に合わせてころころ変わる表情、全力さが存分に伝わるキレキレのダンス。アイドルであること、アイドルとしてパフォーマンスをすることを純粋に楽しんでいることを、こんなにもありのままに伝えてくれることがどれだけ嬉しいか。歴代のシングルを振り返る“エモさ”だけでは片付けられない、彼らの本質が詰まったステージに、胸が熱くなって、いっぱいになる。

たいが

アンコールではメンバーが客席に登場し、より至近距離で周年の感謝を伝えるファンサービスも。通路を縦横無尽に駆け回り、すれ違ったメンバーと一緒に笑い合ったり、踊ったり。「パンダドラゴンあるある」ではあるのだが、こういう時に目はいくらあっても足りないと思ってしまう。6人とファン、お互いがお互いを見つめ合って、これまでの感謝とハッピーを伝え合う。その視線はどちらも本当にあたたかく、愛おしさが滲み出ているように見えて、会場は多幸感に包まれていた。

興奮冷めやらぬままたくさんの嬉しいお知らせも発表に。1か月前に豊洲PITでお知らせ大解禁祭りがあったとは思えないほどの情報量にも、この1年でのパンダドラゴンの躍進ぶりを痛感させられる。

なぎ

最後の挨拶では、この1年間での出会いや別れ、大きな環境の変化や、埋めることができなかった過去のホールツアーに思いを馳せて涙ぐむメンバーも。それぞれが素直な胸の内を語る中でも、発する言葉の1つ1つにはグループ、仲間、そしてヴィーナス・ゼウスへの溢れる愛と感謝が溢れていた。

7年目に向けてさらなる飛躍を宣言しながらも、これまで積み重ねてきたパンダドラゴンの大切な軸は「絶対に」変わらないことを誓い、新曲である「天使に花束を」を披露。全てが宝物のような言葉を届けてくれた後のとっておきのラブソングは、さすがに「ずるい」と言わせて欲しい。ラストは「じゃぱかわんだほ~」で最高の盛り上がりのまま締めくくり、密度いっぱいの6周年イベントは幕を閉じた。

大きな変革の年となったこの1年の中で、彼らが新たにグループの武器として手に入れたもの、そして、6年間大事に、大切に守り続けてきた「変わらないもの」。どんなことがあっても、パンダドラゴンとヴィーナス・ゼウスが一緒なら、“みんながいるから”大丈夫。今回の周年ライブには、そう言い切れるような彼らのアイドルとしての「強さ」があった。

「パンダドラゴンの年にする!」年明けからそう宣言してきた勝負の1年。彼らの誓う景色以上のものが、きっと未来に広がっているに違いない。


文=株式会社イープラス H.K
撮影=株式会社DD かまきり