多くの人の支持を集めることが人気のバロメーターである一方、常に評価の目にさらされる宿命にあるのが著名人たち。それぞれの職業観の中で、どのような言葉を支えにして苦境を切り抜けているのか。連載「わたしの金言・名言」は、著名人たちが心の拠り所としている言葉を聞く。

第15回は、24日に放送されるテレビ朝日開局65周年記念ドラマプレミアム『万博の太陽』(21:00〜)に出演する飯豊まりえが登場する。1970(昭和45)年に開催された国民的イベント日本万国博覧会(大阪万博 EXPO'70)で働くことを夢見る主人公・朝野今日子(橋本環奈)の青春と、その家族の物語を心温まるタッチで描き上げるヒューマン・ホームドラマである今作。飯豊は、研究者になりたいという夢を抱きながらも父の言いつけ通りお見合いをする、万田千夏を演じる。そんな飯豊が心の支えにしているのは、ある“詩”だという。

女優の飯豊まりえ 撮影:泉山美代子


○■高校生のときに出会った茨木のり子の詩

私が心の支えにしているのは、茨木のり子さんの詩「自分の感受性ぐらい」。詩の中にある「ひとのせいにするな、時代のせいにするな」という言葉の通り、うまくいかなかったことを自分の外にあるもののせいにせず、自分をもう一度見つめ直して前を向かせてくれる詩です。高校生の頃に出会って、茨木のり子さんの詩集を集めるようになったのですが、その中でも特に好きです。

やはりどうしても、感情が内向的になって、誰かのせいにしたり、時代のせいにしたり、タイミングのせいにしたり、逃げたくなる気持ちが生まれてしまうことがあるのですが、前を向くためには、自分の感受性ぐらい自分で守らないといけないな、と。読み返すたびに、茨木のり子さんに活を入れてもらえるような詩になっています。



■飯豊まりえ

1998年生まれ、千葉県出身。08年、「avex kids×ニコ☆プチ公開モデルオーディション」でグランプリを受賞し、雑誌『ニコ☆プチ』でモデルデビュー。女優業でも幅広く活躍しており、現在、『Oggi』の専属モデル、『MORE』のレギュラーモデルを務める。近年の主な出演作に、ドラマ『花のち晴れ〜花男Next Season〜』(TBS)、『家政夫のミタゾノ』第4シリーズ(テレビ朝日)、『岸辺露伴は動かない』シリーズ(NHK)、『君と世界が終わる日に』シリーズ(日本テレビ/Hulu)、『ひねくれ女のボッチ飯』(テレビ東京)、映画『暗黒女子』、『いなくなれ、群青』、『惡の華』、『シライサン』、『くれなずめ』など。近年は、連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK)、『ヒル Season2』(WOWOW)、『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ)、『オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜』(読売テレビ)、『何曜日に生まれたの』(ABCテレビ)など。5・6月には、舞台『PARCO PRODUCE 2024 ハムレットQ1』(東京・大阪・愛知・福岡)への出演が控えている。