橋本環奈主演『万博の太陽』制作秘話!“昭和”にこだわり…当時の《万博コンパニオン》も出演
1970(昭和45)年、空前絶後の熱気を巻き起こした国民的イベント、日本万国博覧会(大阪万博 EXPO’70)。
そんな一大祭典で働くことを夢見たヒロインの青春と家族の物語を“主演・橋本環奈×脚本・中園ミホ”の豪華タッグで描く開局65周年記念ドラマプレミアム『万博の太陽』。
3月24日(日)の放送までおよそ1週間と迫るなか、細部まで“昭和”にこだわったセット写真や制作秘話が到着した。
本作の舞台は、戦後復興を成し遂げ、高度経済成長期の真っ只中にあった昭和40年代。
主人公・朝野今日子(橋本環奈)は“世界とつながる場所”である万博への憧れを募らせ、大阪へ。居候先の伯父一家に励まされたり、ぶつかりあったりしながら成長し、やがて万博のコンパニオンとして世界中の人々と交流するという夢をつかみ取っていく。
今日子の従妹で女子大生の万田千夏を飯豊まりえ、千夏の見合い相手で“建築家の卵”である倉本鉄平を木戸大聖、千夏の年の離れた弟・博士を番家天嵩、千夏と博士の母・和世を江口のりこ、千夏らの父で“昭和の頑固オヤジ”の昭太朗を唐沢寿明らが演じるのも大きなみどころ。
夢に向かって邁進するヒロイン・今日子をはじめ、さまざまな形で万博に携わった登場人物たちの情熱や、激動の昭和をたくましく生きた家族の姿をエネルギッシュに描写していく。
◆細部まで“昭和”のトレンドがちりばめられる
今回公開されたのは、番組プロデューサーと監督、スタッフが細部まで緻密に昭和を再現したセットの数々。
ヒロイン・今日子が居候する万田家の茶の間にはダイヤル式の黒電話、ちゃぶ台、分厚いブラウン管のテレビなど、昭和を象徴するアイテムがちりばめられている。
大手電機メーカーの下請け工場を営む万田家は“家電が安く手に入る”という設定のため、台所には当時の最新式2ドアタイプの冷蔵庫も鎮座。大阪の街角を再現したセットには、10円玉を入れて話す赤い公衆電話も。
昭和の時代を知っている人は懐かしさを覚え、知らない人は“レトロかわいい”と感じる世界が広がっている。
セットだけでなく、劇中に登場するトレンドも時代感たっぷり。登場人物たちのファッション、髪型、メイク、ラジオから流れる歌など、あらゆるところまで昭和を感じさせる映像に仕上がった。
◆当時の万博コンパニオンたちがエキストラ出演!
また本作には、1970年の大阪万博でコンパニオンとして活躍した女性たちが“万博来場者”役でエキストラ出演している。
元コンパニオンの女性たちは、飯豊演じる千夏が会場のパビリオンで“人間洗濯機”のデモンストレーションを行うシーンに参加。
人間洗濯機はカプセルの中に入ると自動で身体を洗ってくれる装置で、当時この展示には多くの人々が詰めかけた。
今回エキストラに参加した奥原さゆりさんは、劇中で飯豊が務める人間洗濯機の紹介アナウンスを実際に担当していたとのことで、再現したセットやシーンに「見事な出来栄えで、思わず当時のセリフが口をついて出そうになりました」と太鼓判。
また、元コンパニオンの皆さんはイエローのユニフォームを身に着けたキャストたちを見て口々に「懐かしい!」と話し、50年の月日を経て大阪万博の空気を満喫していた。
◆神田エミイ亜希子(テレビ朝日プロデューサー)コメント
――1970年 大阪万博のコンパニオンを題材にしたきっかけ、どのようにこの作品の制作を進めてきたか
一緒に本作を作っている先輩プロデューサーの内山から、「70年の大阪万博ってすごいよ」と言われ…。いろいろ調べてみたところ、面白いエピソードが続々出てくるので興味を持ちました。
技術もライフスタイルもどんどん変わるエネルギッシュな時代の中で、女性のコンパニオンも万博を支えたという事が面白いなと思いました。
ただ、史実をもとにしたフィクションドラマは、取材や下調べをしなければ制作できないので、コンパニオンとして実際に働いた方々を探し、取材させて頂きました。
ありがたいことに、奈良にお住まいのエキスポシスターだった方と、大阪にお住まいのサンヨーのコンパニオンだった方にお目にかかる事ができ、様々なお話を伺いました。また、万博記念公園マネジメント・パートナーズの方にも資料を見せて頂くなど、様々な形でご協力頂きました。
――本作のセットや衣装でこだわったポイント
今回の「万博の太陽」では、万田家の家のセットを建てました。ちゃぶ台返しのシーンがあるので、当然ちゃぶ台がドンと置かれた居間を中心に、ブラウン管のテレビ、茶箪笥などが飾られました。
黒電話は若い役者さんにとっては「知っているけれど、使った事がない」歴史的なアイテムだったり、まだレトルトカレーが登場したばかりという時代である事も驚きだったりしていました。昭和を良くご存知の視聴者の方もいらっしゃるので、懐かしいなと思って頂けたら嬉しいです!
衣装では橋本環奈さん演じるエキスポシスターの衣装と飯豊まりえさん演じるサンヨー館のコンパニオンの衣装は、1970年に使用された本物のユニフォームをお借りし、それを参考にしながら仕立てて頂きました。
色、質感、形などかなり本物に近いものに仕上がったかと思います。少しでも当時の雰囲気をドラマの中で表現するために、細部もこだわりました。この時代のお洋服は、色も明るいですし、柄を使ったものなども多く、すごくおしゃれですよね。
――人間洗濯機は作るのが大変でした
まず「人間洗濯機」という名称がとても面白いなと思いました。この名前を聞くと、いったいどんなものか見てみたくなりますよね? 発想がすごいなと思いましたし、調べてみたら形や性能も斬新でびっくりしました。
当時の技術者の皆さんはきっと沢山苦労しながら制作なさったと思うのですが、丸みをおび、窓から中が見える宇宙船のようなデザインはどうしたらドラマでも再現できるか…本当に試行錯誤しました。
美術のスタッフは、サンヨーの資料を拝見させて頂いたり写真を撮ったりもして、素材、大きさ、安全性など検討を重ねていました。ただ、本当にこの人間洗濯機を再現する事は難しくて…!
監督、美術スタッフ、CG担当など様々なスタッフがどうしたら良いか何度も相談して、シーンをどうしたら成立できるか検討を重ねました。最終的にはスタッフのこだわりと頑張りがあり、本物のコンパニオンの方々に「そっくり」と褒めて頂けるものが出来上がりました。
――当時、コンパニオンだった方々がエキストラ出演することに!
サンヨー館のコンパニオンとして働いた方に、エキストラとして人間洗濯機のシーンの撮影にいらっしゃって頂けませんか?とお願いしました。快く受けて下さり、現場にいらして下さいました。
本物のコンパニオンだった方々に、撮影用に作った人間洗濯機やサンヨー館のユニフォームをご覧いただけて嬉しかったです。「すごいね!」と褒めて頂き、励みになりました。
――視聴者の方へメッセージ
年度末のドラマでは、毎年、新しい事にチャレンジし、道を切り拓いてきた女性を主人公にしたドラマをお届けしています。昭和から令和へ――。多くの先人がバトンを繋げてきて下さったから今がある…そんな気持ちになるドラマに仕上がっていると思います。
そして、私たちもまた未来に渡せるバトンをそれぞれが手にしている事に気が付く事ができたらと思っています!