【大阪グルメ】ミシュランも認めたスパイスカレーの聖地・大阪の名店『渡邊咖喱』の魅力とは?
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●ミシュランビブグルマン掲載店の『渡邊咖喱』。鶏と鯛の出汁を使った個性派カレーのおいしさの秘訣とは?
食い倒れの街、天下の台所と呼ばれてきたグルメ都市・大阪。お好み焼きやたこ焼き、串カツなど、さまざまなソウルフードがありますが、10年ほど前からブームになっているのが「スパイスカレー」です。
大阪・北新地にある『渡邊咖喱』は、”毎日食べたくなるカレー”をテーマに、鯛と鶏の和出汁にスリランカ産のスパイスを自家調合したカレー専門店。ミシュランビブグルマン2023に選出され、食べログ百名店に何度も掲載されています。
そんな名店の定番メニュー「元祖渡邊カリー」を食べてきました。
趣の異なる2種のカレー「元祖渡邊カリー」
「元祖渡邊カリー」1400円
こちらが、チキンカリーと羊とポークのキーマカリーがのった「元祖渡邊カリー」。辛さは中辛か辛口、ライスの量は小・中・大から選べます。辛いものがそこまで得意ではない筆者は、中辛を頼みました。注文の際「パクチーをのせてもいいですか?」と聞いてもらえるので、苦手な人は断りましょう。
鮮やかな野菜と、黄色いライス、パクチーのグリーンが綺麗でどこから食べようか迷ってしまいますが、まずはチキンカリーから。
チキンカリー
魚介と肉のダブル出汁のおかげか、とにかく旨みが強く、優しい甘みとほんのりした辛みが後からやってきます。
『渡邊咖喱』の特徴は、やはりこの出汁感。鯛は、オーブンで焼いて臭みを消してから丁寧に出汁を取っているそうです。鯛の味をダイレクトに感じられるわけではありませんが、旨みを底上げしてくれています。
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中央に鎮座したチキンは、スプーンでふれただけでホロホロっと崩れるやわらかさ。どこか和の風味が感じられる優しいカレーに、スイスイとスプーンが進みます。
淡い黄色のターメリックライスは、もっちりとした日本米とパラパラのバスマティライスが混ざっていて、日本人でも親しみやすい味。本格的なスパイスカレーに馴染みが無い人でも食べやすい工夫がされています。
どっさり盛られたパクチーの下にあるのは、ポロポロとした羊とポークのドライキーマ。羊の野性味とシャープな辛みがあり、チキンカリーとは趣が異なるワイルドな味わいです。中辛でも結構辛めで、口と鼻の中にスパイスの香りが広がります。
羊とパクチーというクセが強い食材が、驚くほど相性ぴったり。パクチーの爽やかで強烈な香りの中に羊の旨みがやってきて、お互いの良さを引き立て合っています。
ある程度食べ進めたら、2つのカレーを混ぜて楽しむのがあいがけカレーの醍醐味。出汁が香る優しい風味のチキンカリーと、パンチの効いたキーマカリーを融合させると、第三のカレーが出来上がります。次はどんな割合で混ぜよう……とワクワクしながら食べ進めました。
色とりどりのアチャールで口をリセット
色とりどりのアチャールもおいしい
お皿の横にちょこんと添えてある色とりどりのアチャールも忘れてはいけません。アチャールとは、インドやスリランカなどで日常的に食べられているお漬物のこと。キャベツと紫キャベツの2種類がのっており、しっかりと酸味が効いています。カレーの間に挟むと口の中がさっぱりしますよ。
気になるのが、すりおろしたニンジンのようにも見えるオレンジの物体……。気になって店員さんに聞いてみると「トマトとココナッツミルクを合わせたチャトニです」とのこと。チャトニは、ハーブや野菜、ナッツなどを使って作るペーストで、味に変化を加える役割があるそうです。
ほんのりとしたトマトの酸味とココナッツミルクのマイルドさが合わさって、カレーと一緒に食べると味に奥行きが出ます。一皿で何通りもの味を楽しめるユニークなカレーでした。
100人いたら100人が食べられるカレーを目指している『渡邊咖喱』。鶏と鯛の出汁を使ったり、日本米を混ぜたりと、スパイスカレーに馴染みがない人でも親しみやすい工夫がふんだんに詰まっていました。
(撮影・文◎安達春香)
●SHOP INFO
店名:渡邊咖喱 梅田本店
住:大阪府大阪市北区曾根崎新地2-2-5第3シンコービル3F
営:平日11:30~14:30、18:00~21:00、日・祝11:30~16:00
休:土曜