年齢を重ねる中で、「これから先の人生、大切なお金はどう使ったらいいの?」と考えることも増えるのではないでしょうか。主婦でグラスサンドアーティストの岡本恵子さん(65歳)は、4人の子どもを育て上げた今、若いころとはお金の使い方が変わったそう。詳しく教えてもらいました。

働ける間は働いて、お金は好きな「旅と猫」に使う

息子たち3人は独立。近くで働いている4男は同居していますが「結婚などでいずれ出ていくでしょう」。旅をして仲間と集い、おいしいものを食べて、今は猫たちが子ども代わりです。

【画像】岡本さんの「ざっくり支出表」

「夫は働いてくれる人、私は家を守る人、でずっとやってきました。下の子どもが小学校へ入学してからはパートとして長年働きましたが、そのお金はなるべく貯金して、基本は夫の収入で生活を。

退職金は家のリフォームとキャンピングカーで使ってしまいましたが、安心して快適に暮らせる家が用意できたこと、気軽に出かけられる旅の道具が手に入ったこと、全国にたくさんのお友達ができたこと。これはお金には代えられないほど幸せなことだと思っています」

岡本さんの「ざっくり支出表」を公開

現在は夫婦の年金とご主人のアルバイトのお給料で家計を支え、岡本さんのパート時代のお給料は老後の予備費と考えています。

「人との交際は旅先で会うのが中心。食事は子どもの食べ盛りのころに比べると外食も増えましたが、ぜいたくはしない代わりに、我慢もしません。おしゃれには興味がないので、私の美容院代を入れても被服費や美容代は月1万も使ってないんじゃないかしら」

息子さん4人分の学費もかからなくなった今、ようやく猫との暮らしや旅にお金が回せるようになったそう。

恵子さんが長年つけている家計簿。今、現金がいくらあるのかを把握するためのメモ程度です。カードで支払ったものには(C)のマークを。「カードならポイント還元があるし、現金を持ち歩きたくないから、買い物はほとんどがカードです」

新しい趣味で資格も取得。つくる楽しさに加え、喜ばれるのがなによりうれしい

コロナ禍に恵子さんが新たに始めた趣味があります。それはグラスサンドアート。大理石を粉砕して作られた、色とりどりの砂をガラス容器に入れて、模様や文字を描き出します。通信講座を受け、課題をクリアしてプロとしての資格を取りました!

●少しずつオーダーを受けてお仕事になりつつあります

玄関にはこれまでの作品が。四季折々のイベントをモチーフにしたり、多肉植物を真ん中にあしらったり。美容院などからもオーダーを受けて制作しました。

プロアーティストとして認められた証。「材料費がまかなえるだけでもうれしいけれど、少しずつ仕事になっていったらいいなあと思っています」

『ゆとりある日々を過ごしている人の素敵なお金の使い方 2024年度版』(扶桑社ムック)では、今回紹介した以外にも、自分らしいお金の使い方で幸せに暮らしている人たちを紹介。そのほか、年金のもらい方、老後の安心な住まいなど、プロのアドバイスも満載です。