唯一無二の存在…BUCK-TICKが愛され続けるワケ。綾小路翔「1個も似ているバンドがいなかった」

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今さら人に聞けないような“音楽の基本”から、制作の裏側や専門テクニックなど“マニアックな知識”までを掘り下げていく『関ジャム 完全燃SHOW』。

3月3日(日)の同番組では、西川貴教、綾小路翔、Die(DIR EN GREY)、NOBUYA(ROTTENGRAFFTY)をゲストに迎え、「BUCK-TICK特集」が放送された。

2023年10月、BUCK-TICKのボーカル・櫻井敦司さんがライブ中に倒れ帰らぬ人に…。その早すぎる旅立ちに、多くのアーティストが悲しみと尊敬の念を込め、哀悼の意を表した。

デビューから35年以上、BUCK-TICKはなぜこれほどまでにファンやアーティストたちから愛されているのか?

群馬県の同じ高校のメンバーを中心に5人で結成したBUCK-TICK。インディーズシーンで注目を集めるとレコード会社争奪戦の末、1987年にビクターからデビューを果たした。

そして1988年、CDラジカセのCMソングにも起用された『JUST ONE MORE KISS』が大ヒットし、デビューから約2年で東京ドームライブを敢行。その凄まじい人気ぶりは“バクチク現象”と呼ばれ、社会現象となった。

そんなBUCK-TICKの魅力について、「デビュー時から似ているバンドは1つもなかった」と口を揃えるゲスト4人。

1980年代の日本のロック史を振り返ると、BUCK-TICKが”唯一無二の存在”だということが見えてくる。

海外でのハードロックやヘビーメタル人気を受け、1981年にLOUDNESSがデビュー。その重厚なサウンドと超絶テクニックはジャパニーズメタルと呼ばれ人気を博すが、そんな日本のヘビメタ黎明期のなか、突如ロックシーンを塗り替えたのがBOØWYだ。

BOØWYの登場により、8ビート主体のビートロックが大ブームとなり、後のバンドブームに大きな影響を与えた。

しかし、1988年、人気絶頂のなかBOØWYが解散。その前年、BOØWYと入れ替わるように、その後のロックシーンに影響を与える伝説的バンドが多数登場する。その1つが、BUCK-TICKだ。

BUCK-TICKの大ファンで度々共演もしてきた綾小路は、その魅力についてこう語る。

「長髪を立てる=ヘビメタと、すべての人たちが思い込んでいた時代に、耽美な世界観で曲はキャッチーでメロディアス。1個も似ているバンドがいなかった」(綾小路)

そして、BUCK-TICKの後輩・西川も「ド派手なルックスなのに、ギターはまったく歪んでない独自の音作り。それまでのロックの常識は、ボーカルもシャウトやハイキーでのロングトーンが当たり前なのに、櫻井さんは時に囁くように歌い、声を張り上げる時も独特」とその独自性を絶賛する。

また、ギターの今井寿と星野英彦が作り出すジャンルレスな楽曲と、櫻井さんが手掛ける歌詞で多くの人を魅了するBUCK-TICK。

その歌詞について、直木賞作家・三浦しをんは「自由な解釈に委ねるBUCK-TICKの歌詞は小説や散文のよう」とコメント。BUCK-TICKの文学的な歌詞を称賛している。

これに綾小路は「僕たちも普段使わないような言葉が出てくる。BUCK-TICKが作る世界を想像して、すごく引き込まれる」と熱弁した。