「免許取り立て初心者ドライバー」どうしたら運転が上手くなる? 「レンタカーで練習」か「マイカー買う」どっちがイイ?
初心者ドライバーが運転に慣れるための秘訣はある?
例年、冬から春にかけてのこの時期は、進路が決まった学生たちを中心にクルマの免許を取得する人が増えます。
初心者ドライバーが免許を取得後すぐに、多くの一般ドライバーのようにスムーズにクルマを走らせるのはかなり難しいでしょう。「運転に慣れる」ためのコツはあるのでしょうか。
どうすればより早くスムーズに走れるようになるかを、教習所の元教官 I氏に話を聞いてみました。
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まず、どんなクルマで練習すべきでしょうか。いきなり数百万円もする新車を買えれば良いのですが、予算には限りがあります。
「個人的な意見も混ざってしまいますが、カーシェアは安価で魅力的ではあるものの、無事故で返却するのが基本です。
もちろん各社で保険にも加入していますが、運転ミスで傷つけてしまった場合などがかなり面倒です。
またレンタカーは、運転歴が短い初心者だと借りられる車種が限定されることもあります。
多少傷つけても購入したクルマなら自己責任で済みますが、やはりお金がかかります。
なので、まずは慣れるまでは運転の上手な人に付き合ってもらいながらレンタカーに乗り、その後ほしい車種があれば購入するといった流れで問題ないと思います」(教習所の元教官 I氏)
では、運転に慣れるというのは、どういうことでしょうか。
「車種によってインパネのデザインや操作方法が微妙に違うものです。当然ながら教習車とも大きく違うでしょう。
どんな車種でも正しい運転姿勢を保ち、操作そのものに戸惑わないようになることがまずは重要です。
実際の路上では操作方法よりも周囲の交通状況に適応させるほうが重要で、操作方法でいちいち悩んではいられませんから」(教習所の元教官 I氏)
交通状況だけでなく、運転する時間帯や気候もさまざま。薄暗い早朝や夕暮れどきや、暗い夜道、雨天や雪などもあります。
どのタイミングでヘッドライトを点灯すべきか、また悪天候で視界が悪い場合は路面も滑りやすくなっており、そんな気象状況に合わせた運転ができるようになることも大切だといいます。
ベテランドライバーの運転を観察すべし!
運転に慣れるためには、具体的にどんなことをすれば良いのでしょうか。またどのような点に注意するべきなのでしょうか。
「手っ取り早いのは、身近で運転が上手な人に付き合ってもらい、その人の運転をしっかり観察することです。
ステアリングのさばきかた、アクセルやブレーキの使いかた、すれ違いや高速道路の合流などはどんなところを見ているのか、質問してみましょう。
その後、運転を代わり自分の運転でダメなところを指摘してもらえば、変なクセがつく前に意識して直せると思います」(教習所の元教官 I氏)
I氏いわく、運転が上手い人はたいてい知人や親族などで運転が上手だった人を無意識に真似しているものなのだとか。
つまり、運転が上手な人の良い部分を真似てみることは、自分だけで考えて運転を続けるより効果的なのだそうです。
「特に初心者が苦手としやすい駐車や高速道路での合流、右折・左折では、直前にどんなタイミングでどんなアクションをしているのか、お手本をよく観察してみることをお勧めします」(教習所の元教官 I氏)
では、どれくらいの期間が経てば、運転に対する違和感は解消されるのでしょうか。
「乗りかたや頻度、走行距離などで個人差はありますが、数ヶ月から半年程度でハンドルを握ることに抵抗がなくなってくるでしょう。
必要以上に運転を恐れず、落ち着いて走行できるようになれば周囲の状況に対して気を付けるポイントも変わってきますし、交通の流れもある程度は読めるようになります。
毎日運転してほしいと言いたいところですが、なかなか時間が取れないこともあるでしょうから、まずは自宅周辺からはじめて、徐々に行動範囲を広げるのも良いでしょう」(教習所の元教官 I氏)
あえて高速道路を使ったロングドライブに挑戦するのもおすすめだとI氏はいいます。特に景勝地を目指すドライブにすれば、その道中で市街地、高速道路、カーブの多い山岳路などさまざまなタイプの路上走行を体験できます。
クルマの運転には経験値が必要となるので、ロングドライブでは景色を楽しむことに加えてスキルをアップさせることもできるでしょう。
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運転に慣れることは、クルマ社会で過ごすにあたり必要なステップです。ただし注意して欲しいのは、慣れたつもりの初心者は余計に事故を起こしやすいこと。「慣れた」と「調子に乗る」のは違います。
慌てずに運転するのは大切ですが、緊張感がなくなることで周囲への注意や配慮が薄れてしまうと、事故だけでなく交通違反などもしやすくなってしまうものです。
操作系に慣れたとしても、一切油断できないのが実際の交通状況です。歩行者が多かったり、見通しの悪い交差点だったり、交通量が多く流れが早い幹線道路など、実際の交通状況は刻一刻と変化します。
そんな状況でほかのクルマの迷惑にならず、周囲の環境に合わせた運転ができるようになることが重要だというわけです。