那須川天心、猪木の「風車の理論」と名言で初KOに意欲「やる前から負けること考える馬鹿いるかよ」
Amazon プライム・ビデオで生配信
ボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級6位、日本同級7位・那須川天心(帝拳)が23日、エディオンアリーナ大阪でボクシング転向3戦目として121ポンド(約54.89キロ)契約8回戦に臨み、ルイス・ロブレス(メキシコ)と対戦する。21日は大阪市内のホテルで会見。アントニオ猪木氏の名言を用いながら初のKO勝ちを見据えた。戦績は25歳の那須川が2勝(0KO)、25歳のロブレスが15勝(5KO)2敗1分け。
那須川にとって初めての世界ランカーとの試合。ボクシング転向3戦目ながらWBAとWBOで世界バンタム級14位のロブレスと拳を交える。「風車の理論じゃないけど、楽しみです」。風車の理論とは、かつて猪木が名付けたものとされている。相手の力を引き出した上で勝つということだ。風が強く吹くからこそ、風車はよく回ることになぞらえている。
「強い相手ほど実力を発揮できる。相手は世界ランカーですけど、関係なく圧倒できると思う。キックボクシング時代も自分が全部出し切った時、通用しないことはなかった。相手によって(戦い方を)変えられる。強い相手ほど全てを出せるのは自分の強みだと思う」
昨年4月のボクシングデビュー戦、9月の2戦目はともに判定勝ち。特に2戦目はKO宣言しただけに不完全燃焼だった。ボクシング転向後初のKO勝ちがほしいところ。今月10日の公開スパーリングでは、圧力をかけて攻める姿を披露し「“KOする詐欺”はやめようかなと」と笑いながらKOへの意欲を見せていた。
記者の質問に猪木の名言、ビンタは…
記者からは「試合前に聞いて申し訳ないが」と踏まえた上で、KOできなかった場合のことを聞かれた。「やる前から負けること考える馬鹿いるかよ、ですよ」。那須川はニヤリと笑った。現役時代の猪木がインタビュアーの問いかけに放った名言。本家のように記者をビンタすることはなかったが、胸に秘める闘魂を垣間見せた。
「もし(KOを)できなかったら(試合までの)自分のマインドが何か違ったのかなということ。一試合、一試合、マインドを変えてやっています。触れるもの、会う人によって試合までの過程が変わるし、それぞれが全部繋がっている。試合以外でも食べ物を変えたり、新しい取り組みをできています。それがハマればこれから続けられる。まだ今は全部ハマっている感じはしないです」
当然ながら、まだ伸びしろは十分。今回も“天心がどう倒すか”の視線を歓迎する。「みんなの見方も定まっていいんじゃないですか。そこ(周囲の声)とはずっと闘いたい。全員が納得する決着を」。神童はリングで暴れる姿を思い描いた。
〇…興行は「Prime Video presents Live Boxing」の第6弾として開催される。メインイベントではWBA&WBC世界ライトフライ級2団体統一王者・寺地拳四朗(BMB)が、元WBA正規王者のWBA1位&WBC2位カルロス・カニサレス(ベネズエラ)と防衛戦を予定。WBA世界フライ級1位のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は、6度防衛中の王者アルテム・ダラキアン(ウクライナ)に世界初挑戦。与那覇勇気(真正)と辰吉寿以輝(大阪帝拳)の54.5キロ契約8回戦も行われる。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)