阪神・村上頌樹 (C) Kyodo News

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 昨季阪神は18年ぶりにリーグ優勝を達成し、関西ダービーとなったオリックスとの日本シリーズでも4勝3敗で下し、38年ぶりの日本一を手にした。今季はリーグ連覇に期待がかかる。

 リーグ優勝した要因のひとつが投手陣。昨季はチーム防御率リーグトップの2.66で、現役ドラフトで加入した大竹耕太郎がチームトップの12勝、3年目の村上頌樹がプロ初勝利を含む10勝を挙げ、防御率は1.75で最優秀防御率のタイトルを獲得と、22年まで戦力でなかった投手が勝ち頭になった。リリーフ陣でも、1年目の22年に7登板だった桐敷拓馬が、オールスター明け一軍に定着し27試合に登板して、防御率1.79と抜群の安定感を誇った。

 阪神は近年、期待の若手投手が一軍で一気にブレイクする傾向にある。22年は3年目まで一軍わずか3登板だった湯浅京己がセットアッパーに定着し、59試合に登板して2勝(3敗)、43ホールド、防御率1.09で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。昨年3月に行われたWBC野球日本代表に選ばれ、世界一に貢献した。

 同じ22年には浜地真澄が52試合に登板して、1勝(3敗)、21ホールド、防御率1.14と湯浅とともにリリーフ陣を支える働きを見せた。さらに同年、先発では19年ドラフト1位の西純矢が14試合・77回1/3を投げ、6勝(3敗)、防御率2.68の成績を残した。

 21年は当時高卒2年目だった及川雅貴が、シーズン途中に一軍昇格すると、リリーフで39試合・39回を投げ、2勝(3敗)、10ホールド、防御率3.69。20年は19年まで一軍登板わずか4試合だった馬場皐輔(現巨人)が32試合に登板して、防御率2.08の活躍を見せた。

 今季も23年の村上、22年の湯浅、浜地のようにブレイクしそうな投手が控えている。高卒2年目の門別啓人はプロ1年目の昨季ファームで12試合・55回を投げて、防御率2.78、阪神がリーグ優勝した後には一軍で2試合に登板した。先発陣の層は厚いが楽しみな存在。

 その他、富田蓮、岡留英貴、森木大智、岩田将貴、茨木秀俊など、ブレイクを秘めた期待の若手が多く控える。そこにドラフトで1位・下村海翔(青山学院大)、2位・椎葉剛(徳島)と上位で投手を指名するなど、まだまだ投手力が強くなっていきそうだ。