激動の2023年を振り返る。その流れは今年にも…
2024年は衝撃的なニュースから始まりました。まず元日に、令和6年能登半島地震が発生。2日の夜には、羽田空港で海上保安庁の航空機と旅客機が衝突炎上。支援物資を届けるために待機していた海保隊員に5名の犠牲者が出る事態となりました。2023年を振り返ると、政治面・経済面・社会面で大きな動きがありました。12月30日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが2023年の出来事を振り返ります。
残念…MRJの開発中止
2023年はうさぎ年でしたが、まさに「聞き耳を立てる」と言われる岸田総理にとって、苦労の絶えない1年間だったと大石。
まず年初、トヨタ自動車は社長交代人事を発表します。
大石「驚きましたね、豊田章男さん」
後継社長は非創業家の佐藤恒治さんで、就任時点では53歳。一方会長となった豊田章男さんは、日本の社長として平均的な60代半ば。ここに「クルマの変革時代」到来をひしひしと感じます。
2月にはスペースジェット・MRJ(三菱リージョナルジェット)が開発中止となりました。
MRJの開発拠点は愛知県豊山町をはじめ、放送エリアが中心となっており、技術者を多く取材してきた大石にとってはショックだったそうです。
1兆円の国家プロジェクトだったMRJ開発ですが、ついに頓挫してしまいました。
大石「日本の未来の技術の一翼をこれから担ってくれる、という期待があっただけに…残念で仕方なかったですね」
半世紀の間、飛行機を製造していないメーカーにとって、型式証明取得のハードルが高かったことが原因と分析します。
コロナ感染症、5類に
3月はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表がアメリカ代表に勝ち、14年ぶりの栄冠に輝きました。
それもバントを軸に組み立てる独自の野球ではなく、力勝負で制した堂々の優勝でした。
印象深いスピーチを残した大谷翔平選手を中心に、吉田正尚選手ら海外勢の活躍が目立ちました。年末には大谷選手の大型契約も話題に。
大石「野茂英雄さんが海を超えてから20数年。日本の野球もついにここまで来たか、と」
昨年のサッカーに続き、スポーツ界を元気づける躍進となりました。
4月には、衆院補欠選の演説中に岸田総理の襲撃事件がありました。
昨年の参院選、安倍元総理の銃撃事件から間もなかっただけに、衝撃が走りました。
5月、3年間続いた新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に。
巷ではマスク姿の人々が減り、さまざまな行動制限が解除され、ようやく日常の景色が戻りました。
大石「生活がガラッと変わりましたよね」
欧米の人々を中心に、今やオーバーツーリズムに。
近頃、ベートーベンの第九コンサートを鑑賞した大石。
大石「マスクせずに歌うじゃないですか。つい1年ほど前は許されないことでしょ?」
人々の意識の変わりぶりはかくも不思議なもの、と大石。
加害や不正が次々に発覚
7月にはビッグモーターの不正事件、さらに12月にはダイハツの不正事件。自動車業界の不正が相次いで明るみになりました。
大石「30年以上に渡って続いていたわけでしょ?」
後者は長年行われてきた不正とあって、他の自動車メーカーは大丈夫なのか?と疑心暗鬼になっている人も多いでしょう。
秋には、故ジャニー喜多川氏の衝撃的な性加害の内容が浮き彫りになり、ジャニーズ事務所は解体を迫られました。
そして12月、安倍派の裏金疑惑を巡り、東京地検特捜部が捜査に乗り出しています。
長かったコロナ禍が終わると同時に、かつて時代の中心にいた人物や企業の過去の罪過が堰を切ったように発覚しています。
画期的なAIの登場や藤井聡太八冠の誕生など、社会面では明るいニュースもありました。
しかし、2024年の開幕とともに大きなニュースが続いており、まさに時代の変わり目にいることをまざまざと実感させられます。
(nachtm)
大石邦彦のNOW ON SHARE!
2023年12月30日11時42分〜抜粋(Radikoタイムフリー)