ローガン・サージェント【写真:Getty Images】

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スポーツ界で愛されたメイド・イン・ジャパン

 2023年も残すところあとわずか。今年もスポーツ界では様々な名場面が生まれたが、国際大会などで海外選手、関係者から日本製品への好評の声も多数集まった。「スポーツ界で愛されたメイド・イン・ジャパン」と銘打ち、話題になった製品・商品を扱う企業に反響や好評の理由について取材した。第9回は日本と言えば外せない大人気のグルメ。

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 9月に開催された自動車レースのF1日本GP。三重・鈴鹿サーキットでの熱戦を前に、東京観光を楽しんだローガン・サージェント(ウィリアムズ)が足を運んだのは回転寿司の「スシロー」。チーム公式インスタグラムには、右手で器用に箸を使い、赤身の寿司を堪能している場面がストーリー機能で投稿されていた。チーム公式サイトにも、日本滞在中の写真として残されている。

 X上の日本ファンからは「スシローに親近感湧く」「サージェントがスシロー行ってるのおもろい」「F1ドライバーは回らないお高いお寿司を食べるものだという概念を覆してきたな。この男」「やっぱり周回するものが好きなんかな(違う)」「サージェントがスシロー行ってるのなんかいいな」などとこの姿に多数の反響が集まっていたが、他にも寿司を楽しみにする海外選手、関係者は少なくない。

 7月に福岡で開催された世界水泳では、複数の選手、関係者がインスタグラムなどで回転寿司を楽しむ様子を投稿。動画で紹介した男子10m高飛込のオーストラリア代表サミュエル・フリッカーは「これまで食べた中で最高のスシだった」とご満悦。うどんやから揚げなど次々と食べたが「これだけ食べてたった30ドルぐらいしかかからなかったんだ」「とてもクールな場所だった」と絶賛していた。野球のWBCでもイタリア代表、チェコ代表の選手などが寿司を楽しんだと報告している。

 中には握ってしまう選手も。テニスの「木下グループ ジャパンオープンテニス チャンピオンシップス」で東京を訪れたアレクサンダー・ズベレフとフェリックス・オジェ=アリアシムは、“職業体験”で寿司職人に変身。白い板前の調理服に身を包み、丁寧にシャリを握った後、ネタも乗せていた。

 こうした寿司人気について、有名チェーン店のスシロー担当者に取材。サージェントが楽しんだように、海外の人から支持される理由については「タッチパネルの言語別での注文ランキングを見ると、様々な種類のサーモン商品を召し上がられているので、海外の方に好まれるサーモンのメニューの豊富さが要因の一つでは、と考えています」とコメントした。

 鮮度と色味にこだわったサーモンは、部位や調理方法の違うメニューが約10種類もあるという。案内板やタッチパネル注文が英語に対応していることも好評の理由に挙げられそうだ。新標品は年間約1000種類開発し、うち250種類が商品化される。寿司はもちろん麺類やスイーツも「狭き門をくぐり抜けた自信作ばかり」とのこと。「数ある回転寿司屋の中から、海外のお客さまがたくさんご来店いただけたことを大変嬉しく思います」と喜んでいる。

(THE ANSWER編集部)