2019年11月にノニト・ドネアと対戦した井上尚弥(右)【写真:Getty Images】

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井上尚弥「偉業へのカウントダウン」

 ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、26日に東京・有明アリーナでWBA&IBF世界同級2団体統一王者マーロン・タパレス(フィリピン)と4団体統一戦を行う。勝てば男子では世界2人目となる2階級4団体統一の偉業。世界が注目する決戦の観戦機運を高めるべく「偉業へのカウントダウン」と題し、過去の名珍場面を紹介する。今回は物議を呼んだKOが“奪われた”瞬間など。

○2019年11月、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝

 KO勝ちかと思われた。ノニト・ドネアとの第1戦。11回に井上の強烈な左ボディーが脇腹に突き刺さった。後ずさりするドネアを仕留めにかかったが、レフェリーが割って入る。少し歩いたドネアはコーナー付近で膝をついた。この試合で両者唯一のダウンだった。ダウンシーンの動画をWBSS公式X(旧ツイッター)が公開。海外ファンからは「見事なボディーパンチ!!!!!!」と興奮の声が相次いだ。

 一方、カウントが長かったこともあり、「レフェリーがイノウエからKOを奪った」「この時のレフェリーはよくなかった」「ほとんどのレフェリーはこの段階でストップをかけるだろう」と、レフェリーへの不満の声も少なくなかった。当時は海外のメディアや記者が“幻のKO劇”と指摘。しかし、井上が判定勝ちし、多くの海外メディアなどで年間最高試合に挙げられた。

○2023年2月、ドネアが語った井上のパワー

 22年6月の再戦でも井上に2回TKO負けしたドネアは今年、米メディア「YSMスポーツメディア」のYouTubeに出演した。井上について「彼のパワーをどう評価する?」と問われると、「彼はスピードとパワーがある。そして彼はタイミングがいい。それが彼を強くしている。どこにパンチを打てばいいかわかっている」と身をもって体感した長所を語っていた。

 さらに「彼は間違いなく強打を放つことができる。でも、彼よりも強く打つことができる選手はいる。たくさんいるよ。だけど、彼は間違いなく私が戦った中で最高の選手の一人だ」と称賛。最強モンスターと2試合を戦っただけに、宿敵の説得力のある言葉は話題を集めていた。

井上―タパレス戦の配信先&興行カード

 井上―タパレス戦の興行は、NTTドコモの映像配信プラットフォーム「Lemino」で独占無料生配信される。戦績は30歳の井上が25勝(22KO)、31歳のタパレスが37勝(19KO)3敗。

【12月26日の興行カード】

▽WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦12回戦
WBC&WBO王者・井上尚弥(大橋)
VS
WBA&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)

▽日本バンタム級タイトルマッチ10回戦(モンスタートーナメント決勝)
王者・堤聖也(角海老宝石)
VS
同級3位・穴口一輝(真正)

▽64.5キロ契約8回戦
平岡アンディ(大橋)
VS
セバスチャン・ディアス(メキシコ)

▽54.5キロ契約8回戦
武居由樹(大橋)
VS
マリオ・ディアス(メキシコ)

▽49.5キロ契約8回戦
坂間叶夢(ワールドスポーツ)
VS
ジョン・ポール・ガブニラス(フィリピン)

▽フェザー級4回戦
石川優(大翔)
VS
植松風河(駿河男児)

▽スーパーフェザー級4回戦
佐藤力也(八王子中屋)
VS
遠藤圭介(DANGAN郡山)

(THE ANSWER編集部)