春の京都でマイラーズCを制したシュネルマイスター(ユーザー提供:おうどんさん)

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 春秋のマイル王決定戦、安田記念とマイルチャンピオンシップ(3歳上・GI・芝1600m)の顕著な違いは時計にある。近5年の安田記念(19年から23年)と、京都開催だった近5回のマイルCS(15年から19年)を見てみよう。

それぞれの勝ち時計、上がり3Fは以下の通り。

■安田記念
19年:1分30秒9、33秒9
20年:1分31秒6、34秒3
21年:1分31秒7、33秒9
22年:1分32秒3、33秒6
23年:1分31秒4、33秒8
平均:1分31秒6、33秒9

■マイルCS
15年:1分32秒8、33秒8
16年:1分33秒1、35秒6
17年:1分33秒8、35秒2
18年:1分33秒3、34秒5
19年:1分33秒0、34秒2
平均:1分33秒2、34秒7

 両者を比較すると、安田記念の方が勝ち時計で1秒6、上がり3Fで0秒8も速い。そもそも同じマイル戦でも安田記念は左回りの東京、マイルCSは右回りの京都。直線も東京は525.9mで坂あり、京都は398.7m(Cコース時)で坂なしだから、全く異なるレースといえる。

 確かにモーリスやグランアレグリアのように、両レースで結果を残している馬もいる。しかし、それは他馬を圧倒する桁違いの能力を持っていたからに過ぎない。基本的には、マイルCSで3年連続馬券圏内だったペルシアンナイト、安田記念でともに8番人気ながら2着→1着だったロゴタイプのように、舞台巧者を探すのが正解だ。

 今年は京都で走った経験のある馬が少ないので、一筋縄ではいかない感じ。そんな中で、春のマイラーズCを制したシュネルマイスター(牡5、美浦・手塚貴久厩舎)、同3着のソウルラッシュ(牡5、栗東・池江泰寿厩舎)は、ある程度の信頼が置ける。一方、東京で速い上がりを使って好勝負を続けているセリフォス(牡4、栗東・中内田充正厩舎)、ナミュール(牝4、栗東・高野友和厩舎)、レッドモンレーヴ(牡4、美浦・蛯名正義厩舎)には一抹の不安あり。京都替わりを味方につける馬を見つけて、好配当を仕留めたい。