オンラインゲーム「フォートナイト」やゲームエンジン「Unreal Engine 5」などの開発で知られるゲーム企業「Epic Games」はゲーム配信プラットフォーム「Epic Games Store」も運営しています。Epic Games Storeのサービスは2018年12月に始まったのですが、記事作成時点でも黒字化できていないことがEpic Games対Google裁判の証言で明らかになりました。

The Epic Games Store still isn’t profitable. - The Verge

https://www.theverge.com/2023/11/6/23949372/the-epic-games-store-still-isnt-profitable

Epic Games Storeは2018年12月にサービスが始まったPC向けのゲーム配信プラットフォームです。Epic Games Storeにはゲームおよび追加コンテンツの購入やレビューの投稿・閲覧機能などが備わっており、多様なゲームを1つのプラットフォームで管理できます。



PC向けゲーム配信プラットフォームとしてはValveが提供する「Steam」が大きなシェアを獲得しているため、後発のEpic Games Storeはユーザーを獲得するために「ゲームの無料配布」や「ゲームの独占販売」といった施策を展開してきました。しかし、「ゲームの無料配布」や「ゲームの独占販売」を実施するためにはゲームパブリッシャーに対して最低保証金を支払う必要があります。これらの施策が影響してEpic Games Storeは毎年数百億円規模の損失を生み出していることが明らかになっているほか、Epic Gamesの幹部が「Epic Games Storeが利益を出すのは少なくとも2027年以降になる」と発言したことも報じられていました。

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新たに、2023年11月7日に開廷したEpic Games対Googleの裁判において、Epic Games Storeのヴァイスプレジデントおよびゼネラルマネージャーを務めるスティーブ・アリソン氏が「Epic Games Storeは利益を出していない」と証言したことが報じられました。つまり、Epic Games Storeはサービス開始から約5年にわたって赤字が続いていることになります。

2021年にEpic Games Storeの多額の損失が明らかになった際にはEpic Gamesのティム・スウィーニーCEOが「損失ではなく収益性の高いビジネスを構築するための投資である」と弁明していました。今回の裁判でもアリソン氏は「Epic Games Storeは依然として成長を目標としている」と述べており、Epic Games Storeが漫然と損失を垂れ流しているわけではないことを強調しています。

なお、Epic Games対Googleの訴訟はEpic Gamesが「Androidアプリで課金が発生した際にGoogleがアプリ開発者から徴収する手数料が高すぎる」と主張して起こしたものです。2023年10月5日に公開された「出廷する可能性のある承認リスト」にはGoogleおよび親会社Alphabetのスンダー・ピチャイCEO、GoogleおよびAlphabetのルース・ポラットCFO、Epic Gamesのティム・スウィーニーCEO、Androidの生みの親として知られるアンディ・ルービン氏といったテクノロジー界の大物の名前が並んでいます。

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