「狼谷歩」こと、田中裕志容疑者が9月12日に投稿していた動画のひと幕(容疑者のInstagramより)

 10月24日、愛知県警は「頂き女子りりちゃん」を名乗り、複数の男性から現金をだまし取った詐欺罪などの容疑で逮捕・起訴された渡辺真衣容疑者が常連だった、ホストクラブ店の店長と店員の男性2人を組織犯罪処罰法違反容疑で逮捕した。

 逮捕されたのは「狼谷歩(かみや・あゆむ)」という名前でホスト活動をしていた田中裕志容疑者と、店長の橋本一喜容疑者だ。

「先に逮捕された渡辺容疑者は、これまで詐欺罪で2度、詐欺幇助罪で1度の、計3度、逮捕されています。被害総額は2億円前後ともいわれており、そのほとんどを田中容疑者に“貢いだ”とみられています。

 田中容疑者らは、渡辺容疑者の支払う代金が詐欺などでだまし取ったものと知りながら、約4000万円を受け取った容疑で逮捕されました。

 ホストとしての活動のなかで“将棋五段”を自称している田中容疑者は、警察の取り調べに対して『藤井聡太とも対局したことがある』と供述しているそうです」(社会部記者)

「頂き女子」こと渡辺容疑者は、男性側の恋愛感情を利用し、お金をだまし取る手法を繰り返しており、それらをマニュアル化して、ほかの女性にも販売していたことで知られている。

 一方の田中容疑者は、大学卒業後にホストとしての活動を開始。「資産1億円」を売り文句に、X(旧Twitter)、Instagram、TikTokといった各種SNSアカウント、そしてYouTubeチャンネル「狼谷歩チャンネル【ホストの実態 暴露】」などで、ホストとしての心得や資産形成術などを語っていた。

 Instagramには、1000万円近くに見える札束3本を前にする田中容疑者の写真とともに「詐欺師」「被害総額」という文言が添えられた投稿もあった。

「田中容疑者は“ホストの割に容姿がよくない”という批判に対して、しばしば反論するなど、見た目以外の面で相手を魅了する力量があるということを積極的に話していました」(歌舞伎町関係者)

 実際に田中容疑者が残した発言には、このようなものがある。

 インターネット上の匿名掲示板での「ブスすぎてホストに見えません!」という自身に対する批判投稿を取り上げて、それに対する反論を語った動画では、

《俺の外見に匿名でキモいとかコメントしてくる奴らって、まずバカだから》

 と切り出すと、そういった批判をしてくる人物の思考回路を推測するかのように、

《外見で揶揄されるような、そういう低い民度の環境で育ったから、そういう価値観が生まれてると思う》

《たとえば、俺は子供のころから将棋のプロを目指していたから、けっこう周りに頭いい奴が多くて。そうすると、知能が低いことが恥ずかしい、という価値観になる》

 と、持論を展開していた。最終的には、、

《ある意味、可哀想な人種なのかなって思ってます》

《俺がブスだとしても、卑屈なバカに生まれなくてよかった》

 と、自身を批判した人物たちを口汚く一刀両断する内容だった。

「容姿は関係ない」と主張する田中容疑者の考えは正しいかもしれない。しかし、法を犯してはならないという当たり前のルールを守れないならば、その言葉はまったく響かないのではないか――。