キックオフ直前、両手を空に向けて祈りを捧げるアーロン・スミス【写真:イワモトアキト】

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ラグビーW杯フランス大会 カメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラム

 連日熱戦が繰り広げられているラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会。「THE ANSWER」は開幕戦から決勝戦まで現地取材するカメラマン・イワモトアキト氏のフォトコラムを随時掲載する。今回は14日(日本時間15日)に行われた準々決勝、ニュージーランド代表SHアーロン・スミスの祈り。

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 キックオフ直前、ニュージーランドのウォークライ「ハカ」の余韻が残るスタジアム。世界ランキング1位のアイルランドと4位のニュージーランドとの一戦が始まろうとしていた。7万5000人を超えるファンが興奮に酔いしれていたその瞬間、SHアーロン・スミスは静かに両手を空にかざした。

 この日、マルセイユで行われたウェールズとアルゼンチンの試合は、ランキングで勝るウェールズをアルゼンチンが破った。負けたら終わりの決勝トーナメント、試合が始まれば何が起こるかわからない。すべてはこの80分間で決まる。

 ニュージーランド、アイルランド、両者の実力は拮抗。お互いが持てる力を全て出し切るだろう。死闘は必然、その先の勝利をつかむための鍵、それは「運」なのかもしれない。

 予想通り、いや想像を超えた。ラグビーの歴史に残る最高の試合だった。ラスト5分28秒、37フェーズ、アイルランドの猛攻を守り切り、勝利を手繰り寄せたのはニュージーランドだった。

 まさにGod Defend New Zealand.

 A.スミスの祈りは、天に通じた。

■イワモト アキト / Akito Iwamoto

 フォトグラファー、ライター。名古屋市生まれ。明治大を経て2008年に中日新聞入社。記者として街ネタや事件事故、行政など幅広く取材。11年から同社写真部へ異動。18年サッカーW杯ロシア大会、19年ラグビーW杯日本大会を撮影。21年にフリーランスとなり、現在はラグビー日本代表の試合撮影のほか、JAPAN RUGBY LEAGUE ONEオフィシャルフォトグラファーを務める。

(イワモト アキト / Akito Iwamoto)