[10.1 J1第29節 FC東京 3-0 G大阪 味スタ]

 前節にプロ初ゴールを挙げたルーキーが2試合連続ゴールでブレイクの兆しを見せた。FC東京MF俵積田晃太は2-0で迎えた後半33分にダメ押しの3点目。「このプレーを次のプレーに、自信としてつなげていけたら」と振り返った。

 圧巻の個人技で味の素スタジアムを沸かせた。俵積田は後半22分に途中出場すると、その11分後に躍動。左サイドをドリブルで駆け抜けたところでDF高尾瑠のプレスを背中で背負いつつ、さらにFWイッサム・ジェバリも迫る。すると、俵積田はジェバリの足がボールに触れるところでヒールキックで高尾の股を通した。2選手をサイドに置き去りに、PA左から右足シュート。「ドリブルし始めて、股抜きもシュートも全部思い通り」のスーパーゴールとなった。

 今シーズンデビューの19歳ルーキーは一年を通してアシストを含めた活躍はすれど、ゴールは遠かった。試合後には得点へのこだわりで顔を曇らせることもあったが、前節に逆転決勝ゴールとなる待望のプロ初弾で喜びを爆発させた。その効果もあり、今節は「前節よりは緊張せずに行けた」。そして、2試合連続でゴール裏のサポーターに喜びを届けた。

 奇しくも10月1日はクラブ設立25周年の記念日。19歳ながらもその歴史を噛み締めており、「ユースのときの監督である奥原(崇)さんたちが今までつなげてきたこのFC東京というチームで、25周年の日に勝利ができて本当によかった」と語っていた。

 前節の初ゴールはこぼれ球を押し込んだものだが、今節は個人技で魅せた。「ドリブルからソロで点を決めるというのは本当に自信になる」と本人も手応え。「これからの試合でもああいうプレーを出していけたら」と目を光らせる。

 シーズン終盤だからこそ、残り試合に懸ける思いも強い。あと5試合で「全試合1ゴールは決めたい」と力を込める。「ゴールだけじゃなくて、チームに貢献するプレーとかアシストとか、いろんなプレーをしていきたい」。“初”のプレッシャーを乗り越えて、ルーキーはほんの少し貫禄を見せながら、さらなる活躍を誓った。

(取材・文 石川祐介)