この記事をまとめると

■ドイツのミュンヘンにて「IAAモビリティショー」が開催された

■展示されていたBEV車の約25%、PHEV車の30%がピレリタイヤを装着していた

■ピレリはEV向けのタイヤに関するホモロゲーションを300個以上保有している

ピレリのタイヤがIAAにて数多くのメーカーに採用された

 世界中にはさまざまなタイヤメーカーが存在する。そんな多くのタイヤメーカーでは、市販車へ向けた一般的なタイヤを筆頭に、雪道に適したスタッドレスタイヤ、商用車や重機へ向けたタイヤ、モータースポーツの世界で0.1秒を競うような高性能なモノまで扱っており、その種類はじつに幅広い。

 今回紹介するのは、世界最高峰のタースポーツであるF1にタイヤ供給を行っている老舗、イタリアのタイヤブランドであるピレリの新作タイヤだ。同社は、先述のようにモータースポーツの世界で輝かしい成績を数え切れないほど残してるタイヤメーカーであり、昨年で創業150周年を迎えたことでも話題になった。

 そんなピレリは、ドイツのミュンヘンで開催された「IAAモビリティショー」において、プレミアムおよびプレステージ電気自動車用タイヤの世界的リーダーとしての地位を確立したと語った。

 どういうことかというと、今回のショーで展示された新車のうち、BEV車の約25%、プラグインハイブリッド車の30%がピレリタイヤを装着していたのだという。銘柄は、フラッグシップである「P Zero」を筆頭に、「Scorpion」まで、さまざまなシリーズの製品が装着されていたほか、いずれにも電気自動車専用タイヤを示す「Electマーク」が刻印されていたとのこと。

 つまり、ピレリの電気自動車向けのタイヤは、世界中の自動車メーカーから信頼されているだけでなく、電気自動車という世界的トレンドの足元を支えるに相応しいタイヤメーカーであると認められている裏付けでもある。

なおピレリは、「Electテクノロジー」に関するホモロゲーションをすでに300個以上獲得しているほか、世界中でこれらの製品に対する需要は急上昇しており、前年同期と比較して、2023年上半期の新規ホモロゲーションは昨年の2倍以上のスピード(125%増)で伸びているとのこと。

この「Electテクノロジー」は、キャビンノイズを最大20%低減するほか、バッテリーの航続距離もフル充電で走行距離が最大10%伸びるパフォーマンスも持っているとのこと。そのほか、天然素材とリサイクル素材(ビューローベリタス社による第三者検証済み)を55%以上使用した初めてのタイヤでもあるほか、市場で唯一、全製品でトリプルAラベルを獲得したUHP(超高性能)タイヤであるという側面も持ってる。

 ピレリの「Electテクノロジー」を採用したタイヤは、まさにこれからの電動化社会に相応しいハイテクの塊といえよう。

ちなみに、「IAAモビリティショー」に出展された唯一の水素自動車である「BMW iX5 Hydrogen」にもピレリタイヤが装着されていた。なお、このクルマには「FSC(森林管理協議会)」の認証を受けた天然ゴムを使用した世界で唯一のタイヤである特別な「P Zero」が装着されていたそうだ。

 クルマと同じく、開発競争が激化しているタイヤ業界。業界のリーダー的存在でもあるピレリの今後の活動に引き続き注目だ。