大西桃香/撮影・後野順也

 AKB48メンバーとしてのアイドル活動のほか、女優業でも活躍中の大西桃香が、自身の26歳の誕生日となる9月20日に2nd写真集『桃の眺め方』を発売した。吉祥寺と西伊豆で撮影された本作は、1st写真集『夢の叶えかた。』発売から5年経ち、大人の表情を見せる彼女を余すところなく堪能できる珠玉の一冊となっている。本記事では撮影の裏話や、見どころを直撃インタビューした。

──AKB48在籍中に二度目の写真集を出すメンバーは多くないです。最初に話がきたときの率直な感想を聞かせてください。

「あれ? 大西で合ってる?」と真っ先に思いました。AKB48のコたちで写真集を現役のあいだに2回出すメンバーって、あんまりいなくて。レアなケースなので「連絡先を間違えているのかな?」って(笑)。でも本当に出せるとわかってからは、感激でした。初めて写真集を出させていただいたときはSHOWROOM配信を続けたご褒美的な意味合いがあったので、今回は自分自身を評価していただいて来た話なんだと、すごく嬉しかったのを覚えています。ちゃんと実感して嬉しかったのを覚えています。

 20歳頃から25歳までの5年間で、いまの事務所に所属させてもらったり、上京したりと、自分的にもいろいろある中で仕事を頑張ってきたので、そういうのを含めて頑張ってきてよかったなと思いました。

──『桃の眺め方』の見どころはどこでしょう?

 1st写真集はフレッシュさを前面に押し出したものだったのですが、今回は撮影コンセプトから「日常」をテーマしているので、リアルな一人暮らし的な雰囲気や素の自分の表情を楽しんでもらえると思います。

 プライベートの私はすごくインドアで、お休みの日は自分のご褒美として前日の夜に食料を買い込み、家から一歩も出ずに過ごすのですが、そのときと同じくらいのリラックスした私が見られるんじゃないかな、と。

 あと、この5年間で演技のお仕事をさせていただくこともすごく増えて、別の現場でもいい意味で「アイドルっぽくないね」と褒められることが多くなったんです。なのでアイドルっぽさは意識的に抑えつつ、なるべく自然体でありながら、きれいに写してもらえるように意識した部分もあります。写真集を通して、呼吸や肌の温度が伝わると嬉しいです。

──撮影での印象深いエピソードはありますか?

 西伊豆と吉祥寺で撮影したのですが、西伊豆ではビールに挑戦しました。もうそろそろ飲めるようになりたいと思っているのですが、まだ私には早かったみたいです(笑)。

 吉祥寺は私の理想の街そのものだったので、すごく楽しかったです。街のイメージを伝えたところ、スタッフさんが条件に合う場所として見つけてくださって、本当にありがたいです。私、駅周辺に飲み屋街やチェーン店が多い、活気のある街に憧れがあるんです。どことなく下町感のある、駅前の商店街の雰囲気がすごく好きだったので、居酒屋に入って「とりあえず生」ってフレーズを言えるようになりたいです。

──チェーン店も好きなんですか?

 単身東京に出てきて、やっぱり馴染みがあるのはチェーン店になってしまうところがあって。サイゼリヤや天下一品にはよくお世話になります(笑)。いちばん好きなのは、すき家。「わさび山かけ牛丼」と、タバスコをたっぷりかけた「とろ〜り3種のチーズ牛丼」に目がないんです♡

──写真集の中で特にお気に入りのカットを教えてください。

 挙げだしたらキリがないのですが、インパクトもあって気に入っているのは先行カットでお披露目した、西伊豆の温泉でのカットです。角度的になにも着ていないように見える写真で、ファンの方々がいちばん「エッッ!!」って言ってました(笑)。

 本当に生まれたままの状態に見えて、私がいちばん好きな姿なんです。それこそ撮影内容を決める話し合いの時に、「お風呂で見る、生まれたままの自分の姿が好き」とお話しして。お風呂場の鏡に映る自分って、洗面所やアイドルとしてステージに立つときの鏡で見るより好きなんですよね。なので今回は、もともとお風呂や温泉が大好きっていうのもあって、お風呂場のカットを多めにしてもらいました。決して裸族ではないですよ(笑)。たぶん完全にキャストオフ状態になるのがお風呂しかないから、私的に物珍しく感じて好きなのかも。それにお風呂場で湯気が立っているのもちょっと幻想的に見えるので。

 お風呂以外だと、浴衣で寝起き姿の一連のカットも気に入っています。実際に早朝の寝起きで撮ったのですが、撮られるっていう意識も和らいでいて無防備な表情になっていると感じます。

 西伊豆での撮影は、「恋人と行った」ていで撮ったので、恋人になった気持ちで旅行気分を追体験しながら見てもらえたら嬉しいです。

──今回の写真集は、特殊な紙を使っているとお聞きしました。

 石灰石が主原料となる「LIMEX(ライメックス)」というSDGsに配慮した紙なんです。耐水性もあるので、少しの濡れるくらいなら拭けば大丈夫らしいです。一緒にお風呂に浸かる気分で、ゆっくり眺めてください♡ でも、のぼせないように注意してくださいね。

──『桃の眺め方』というタイトルですが、大西さん自身はどういった視線で眺めてほしいですか?

「ももちゃんかわいいね」「ももちゃんいいね」と褒めながら温かい目で見守ってくださるのが、いちばん嬉しいです。ファンの方々が普段からそうしてくれるんですけど、本当に支えられていて。配信を通じてほぼ毎日ファンの方々と会っている感覚なので、落ち込んだ日とかがあるとファンの方がすぐになにか察してくれるんです。「何かあったの?」とか「ももちゃんはすごいんだから自信を持って」と、すごく慰めてくださったり。そうやって温かく見守ってくださっている皆さまがいるおかげで、アイドルとして25歳まで育つことができたので、変わらず優しい目で眺めてほしいです。

──最後に『桃の眺め方』はどんな言葉で表現される写真集だと思いますか?

 まず、1st写真集は本当にご褒美で、「アイドル人生の中で写真集を出す」という私の夢が現実になったものなので「夢の結晶」だと思っています。今回の写真集は5年の時を経って、アイドル以外のお仕事もたくさんやらせていただき、いろんな人たちと縁が結ばれた中で作ったものなので、いろんな立場の視点で大西桃香を見てもらうものなのかなって思います。言葉にするのは難しいですが「成長の過程」という意味も含めて、できることの幅が広がった私を知ってもらうための名刺代わりというか。

 もし、また5年後に3rd写真集を出せたら、さらに成熟した桃を見てほしいです(笑)。

撮影・後野順也/インタビュー&文・佐藤宏行

アイドル写真集としては世界初となる石灰石を主原料とした「LIMEX」を用紙に使用。全国のHMV&BOOKS店頭及びHMV&BOOKS ONLINEにて発売中。
https://www.hmv.co.jp/news/article/230623116/