沸き起こる拍手!相模原市立博物館で実施されたH-IIA打ち上げパブリックビューイングの様子をお届け

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)のX線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」と小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」を搭載した「H-IIA」ロケット47号機が打ち上げられた2023年9月7日朝、神奈川県相模原市の相模原市立博物館では同市の主催による打ち上げのパブリックビューイングが開催されました。sorae編集部も参加させていただいたパブリックビューイングの様子を今回はお届けしたいと思います。


関連:H-IIAロケット47号機打ち上げ成功 JAXAの「XRISM」と「SLIM」を搭載


パブリックビューイングの様子

【▲ 相模原市立博物館の入り口(Credit: sorae編集部)】


相模原市には今回打ち上げられたXRISMやSLIMの開発・試験が行われたJAXA相模原キャンパスがあります。同市のX(旧Twitter)公式アカウント「相模原市シティプロモーション」とsorae編集部はこれまでにSNSを通して交流する機会が何度かあり、その縁もあって今回のパブリックビューイングに参加させていただくことになりました。


XRISMとSLIMを搭載したH-IIAロケット47号機は当初2023年8月26日(土)に打ち上げられる予定でしたが、天候の影響で8月27日(日)、8月28日(月)と2回延期。8月28日の打ち上げも上空の風が条件を満たさなかったため、最終的に9月7日(木)に延期されていました。


平日朝の打ち上げとなりましたが、会場の相模原市立博物館には朝7時30分の入館開始前から宇宙ファンが駆けつけました。そのなかには日本の科学の未来を背負うであろうお子様の姿もあり、soraeとしても嬉しさが込み上げました。


パブリックビューイングではJAXAによるライブ中継の観覧に先立ち、相模原市の本村賢太郎市長のお話や、JAXA宇宙科学研究所(ISAS)の羽生宏人さん(学際科学研究系教授・観測ロケット実験グループ長)による事前解説が実施されました。打ち上げ直前に語られた現場のリアルなお話はとても貴重かつ興味深い内容でした。


【▲ 事前解説を行うJAXA宇宙科学研究所(ISAS)の羽生宏人さん(Credit: 相模原市立博物館)】


約50名の参加者や関係者が見守る中、H-IIAロケット47号機は予定通り8時42分に発射。2基の固体燃料ロケットブースターと1段目の分離に続き、XRISMの分離、やや時間を空けてSLIMの分離がどちらも無事成功すると、緊張感が張り詰めた雰囲気から一転して会場に拍手が沸き起こりました。大きな歓声を上げる人こそいませんでしたが、会場に居合わせたすべての人の心の中では「打ち上げ成功おめでとう!」そんな言葉が響いていたことでしょう。


【▲ H-IIAロケット47号機打ち上げの瞬間(Credit: 相模原市立博物館)】



https://twitter.com/scm_sagapon/status/1699586940650287552


今回のパブリックビューイングについて、「相模原市シティプロモーション」様および「相模原市立博物館」様より、以下のコメントを頂いています。


●相模原市シティプロモーション(Xアカウント:@Sagamihara_PR)


「今回の企画は、みんなで一緒に打上げを応援しよう!という趣旨で開催しました。順延が続き、心配しましたが、ついに打上げ、分離、軌道投入が成功したことが分かると、その場に集まった皆さんと大きな拍手でお祝いできたことは記憶に深く刻まれるものになりました。SNS上でも多くの反応をいただいたことから、全国の方々とも、応援の気持ちや打ち上げの感動を分かち合えていたのではないかなと感じています。」【相模原市シティプロモーション公式X(旧Twitter)の中の人】


●相模原市立博物館(Xアカウント:@scm_sagapon)


「平日の早朝のパブリックビューイング開催ということで、参加者のみなさんも日程調整が大変だったと思いますが、かねてより応援していたXRISMやSLIMについて、市民のみなさんと一緒に打ち上げを見守り、成功の喜びを分かち合うことができて本当に嬉しく思います。会場では、JAXA羽生先生に解説いただいたことで、ロケットの打ち上げについて理解も深まり、宇宙への興味関心がより高まりました。これからのミッションについても引き続き、みなさんと一緒に応援していきたいと思っています。」【相模原市立博物館 館長】


パブリックビューイングの終了後に改めてお話を伺ったところ、「宇宙を身近に感じられるまち」と題してまちづくりを進めている相模原市は、シティプロモーションの一環として枠にはまらないSNS運用やフォロワー参加型の企画にも注力しており、宇宙に対する敷居を下げることで宇宙科学に興味を抱く人を一人でも多く増やしたいと考えているということです。


そんな相模原市が取り組む「宇宙」をテーマにした相模原市立博物館の企画展やイベントの一部を、最後に幾つかご紹介します。なお、各イベントの詳細については相模原市立博物館の公式サイト(https://sagamiharacitymuseum.jp/)をご参照下さい。


相模原市立博物館 イベント情報

【企画展】第8回 わぉ!な生きものフォトコンテスト写真展(2023年9月9日〜10月9日)【こどもプラネタリウム】プラネタリウムで宇宙たんけん!〜ナゾの宇宙人からのメッセージ〜(2023年9月2日〜11月26日)【プラネタリウム】星空さんぽ〜秋〜(2023年9月1日〜11月30日)【全天周映画】宇宙なんちゃら こてつくん プラネタリウム(2023年4月1日〜2024年3月31日)ナイトプラネタリウム&観望(要事前申し込み)

 


文/sorae編集部