バスだけでなく、鉄道でも「運転士不足」が要因の減便が相次いでいます。日中時間帯の急行列車の廃止や、「平日ダイヤ」が維持できなくなるなどの影響がでています。

鉄道でも進む「乗務員不足で減便」

 バス路線だけでなく鉄道でも運転士不足による減便が相次いでいます。「平日ダイヤ」が維持できなくなるケースも発生しました。


長崎の路面電車(画像:写真AC)。

 2023年5月、長崎市で路面電車を運行する長崎電気軌道は、運転士不足や利用状況を踏まえ、ダイヤ改正で赤迫〜市役所〜蛍茶屋をむすぶ「3号系統」を減便しました。
 
 8月に入り、福井鉄道も運転士の負担軽減などを目的に、日中時間帯を中心に減便するほか、始発・終電の見直しも行うダイヤ改正を10月に実施すると発表。このダイヤ改正では、日中時間帯に運転されていた急行列車が廃止されるほか、始発列車の繰り下げ、最終列車の繰り上げも行われる予定です。
 
 また、高知市とその近郊を走る路面電車を運行する「とさでん交通」も、8月14日(月)〜31日(木)までの間、乗務員不足により、平日に関しても土休日ダイヤで電車を運行しています。土休日ダイヤで運行する平日は、7〜8時台に利用が多い区間で増発が実施されるものの、本数が多い「平日ダイヤ」が維持できなくなる深刻な状況になっています。

 鉄道ではこれまで、ダイヤ改正で減便となる場合、主に利用状況が要因としてあげられていましたが、最近ではこれに「乗務員不足」が加わるケースが増えてきました。
 
 今回のケースはいずれも地方私鉄ですが、JRや大手私鉄でも乗務員不足を見据え、自動運転に向けた実証実験やワンマン化の動きが相次いでいます。それが減便という形で利用者にも目に見えて示されるなか、乗務員の確保は業界全体の課題となっています。