米国では、飲み終えた空き缶やペットボトルをリサイクルすると、換金できる制度が普及しています。1本あたりの換金額は微々たるものでも、缶とペットボトルが大量になれば、その額はかなりのものに。例えば、カリフォルニアに暮らすある一家が、空き缶とペットボトルのリサイクルだけで760万ドル以上(約10億6000万円※)を稼いだというから驚きです。

※1ドル=約139円で換算(2023年7月28日現在)

↑ちりも積もれば山となるが…

 

カリフォルニアでは、プラスチックやアルミ製のボトルに入った飲料を購入する際、1本につき5〜10セント(約7〜14円)が加算されます。しかし、飲み終わったあとの缶やペットボトルを州内にあるリサイクルセンターに持ち込めば、加算された分が返金されるシステムになっています。

 

そんなリサイクルシステムを利用して、760万ドル以上もの大金を得たというのが、カリフォルニアのある一家。とはいえ、1本あたり10セントが換金されると仮定しても、760万ドル以上を得るためには、7600万本もの缶とペットボトルが必要になります。この家族は8人だったと報道されていますが、これだけの飲み物を一家族だけで飲んだとは到底思えません。

 

このからくりは、この一家が他州から大量の空き缶と空きペットボトルを輸入していたことにありました。一家は、カリフォルニア州のようなリサイクルシステムがないアリゾナ州から、8か月間で約178トンもの空き缶とペットボトルを輸入。それをカリフォルニア州のリサイクルセンターで換金したのです。

 

これは、カリフォルニア州のリサイクルプログラムのシステムを欺く行為。現地の検察は調査を始め、早速100万ドル以上に相当する、違法に輸入したと見られる空き缶やペットボトルを発見したとのこと。

 

カリフォルニア州では、重窃盗罪には最高3年間の禁固刑が科されるため、この一家は数年程度の懲役刑を受ける可能性があると報じられています。

 

カリフォルニアでは、2022年にも同様にアリゾナからカリフォルニアに空き缶を輸送した“リサイクル詐欺”で6人が起訴されており、2010年から2019年にリサイクル詐欺で有罪判決を受けた人は少なくとも93人に上るそうです。

 

【主な参考記事】

Yahoo! News. One family pocketed $7.6 million by taking cans and bottles from Arizona and recycling them in California. That’s fraud, prosecutors say. July 27 2023