年代別、日焼け止めはどう選ぶ?

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 美白やアンチエイジングに欠かせない日焼け止め。しかし、年代によって肌の悩みや環境は変わるもの。同じ日焼け止めをずっと使っていると、肌に合わなくなることも。この記事では、10代から60代までの女性におすすめの日焼け止めの選び方を、皮膚科医・豊田雅彦氏の監修のもと紹介。年代別に肌の特徴やUVカットのポイントを確認し、ぴったりの日焼け止めを見つけよう。

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【10代】ニキビに負けない肌づくり、優しいUVカットのコツ

 10代の肌は敏感でニキビができやすく、紫外線ダメージが後に現れる。そこで、肌に優しい成分で作られた日焼け止め(かぶれやすい紫外線吸収剤の含まれていないノンケミカル製品など)や、ニキビケア効果のある日焼け止めがおすすめ。SPFは30以上、PAは+++以上が目安。メイクをする場合は、化粧下地としても使える日焼け止めを選ぶと便利。また、洗顔や保湿などの基本的なスキンケアも忘れずに行おう。

【20代】日焼け止め効果のあるベースやファンデを使用しても、日焼け止めは塗るべし

 20代の肌は忙しさや乾燥でくすみや毛穴が気になるもの。紫外線ダメージも蓄積しやすくなる。そこで、保湿成分や美白成分が配合された日焼け止めや、トーンアップ効果のある日焼け止めがおすすめ。SPFは50に近いもの、PAは++++に近いものが目安。日焼け止め効果のある化粧下地やファンデーションを使用していても、日焼け止めをベースとして塗っておくこと。外出時にはこまめに塗り直すことも大切だ。また、睡眠や食事などの生活習慣も見直してみよう。

【30代】老化現象に負けない肌づくり、角質ケア&エイジングケア効果のあるUVカットの方法

 30代の肌はターンオーバーが遅くなり、くすみやシミ・そばかす・シワが目立つようになり、ストレスや疲労も影響する。そこで、角質ケアやエイジングケア効果のある日焼け止めや、カバー力の高い日焼け止めがおすすめ。SPFの目安は50に近いもの、PAは++++に近いものが好ましい。少量の日焼け止めを薄く伸ばして塗るのではなく(ムラになりやすい)、表示されている“適量”よりやや多めにケチらず使用しよう。日傘や帽子などの物理的な紫外線対策も必要になる。また、美容液やクリームなどでしっかりと保湿することも大切だ。食事やサプリメントで、紫外線による皮膚の酸化を防ぐ抗酸化作用のある成分(ビタミンA, C, E, ポリフェノールなど)を十分に摂取しよう。

 40代の肌はハリや弾力が低下し、シワやたるみが顕著に。更年期でホルモンバランスや肌の乾燥も深刻になってくる。そこで、高機能エイジングケア成分が配合された日焼け止めや、リフトアップ効果のある日焼け止めがおすすめ。SPFは50に近いもの、PAは++++に近いものが目安に。塗る際にはマッサージすると効果的。顔以外に、耳や首も塗るようにしよう。手の甲は紫外線を浴びて薄くなり、血管が浮き出て年齢が目立つ部位なので、手の甲に塗るのもおすすめ。美白成分が配合された化粧品の選択も重要な課題だ。また、コラーゲンやエラスチンなどの美容成分を摂ることも重要。

【50代】乾燥と色ムラにさよなら、高保湿・高栄養・高浸透成分で紫外線ダメージを防ぐ

 50代の肌はバリア機能が低下して乾燥や敏感さが増し、紫外線ダメージも深刻になる。紫外線による肌の弾力成分(コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸など)のダメージから、徹底的に肌を守ろう。更年期で色ムラも起こりやすくなるのが50代。そこでおすすめなのが、高保湿・高栄養・高浸透成分や色補正効果のある日焼け止め。SPFは50に近いもの、PAは++++に近いものが目安。塗る前にセラミドや天然保湿因子などの高保湿成分を含有した化粧水や美容液で保湿することも大切で、ビタミンCやEなどの抗酸化成分を摂ることも重要。

【60代】健康と美しさを守るコツ、高UVカット&高エイジングケア成分で紫外線に負けない肌に

 60代の肌は弾力やハリが失われ、シワやたるみ・ほうれい線が目立つように。紫外線による皮膚癌や光老化のリスクも高まるのがこの年代だ。そこで、高いUVカット効果と高いエイジングケア効果を兼ね備えた日焼け止めがおすすめ。目安は、SPF50に近いもの、PAは++++に近いもの。長袖や長ズボンなどで肌を露出しないように心がけよう。また、セラミドやコエンザイムQ10などの保湿成分を摂ることも大切。

 日焼け止めは、SPFやPAだけでなく、肌に合った成分や配合比率をチェックして選ぶことが重要。また、季節や気温・湿度によって肌の状態や紫外線量は変わるので、1年中同じものを使わず生活シーンに合わせて日焼け止めを選択することが大切。

■全年代に問題のないおすすめ日焼け止め

 ミネラル日焼け止めは、天然由来の成分で作られた日焼け止めで、肌に優しく刺激が少ない。また、色補正効果やカバー力もあり、汗や水に強く落ちにくいため使い勝手が良さそう。ミネラル日焼け止めは、10代から60代までの女性におすすめ。

■日焼け後のケア方法

 日焼けした後は、日焼け止めをしっかりと落とし、肌を冷やし、保湿し、美白ケアすることが必要。これらのケアを行うことで、紫外線によるダメージを軽減し、肌の回復を促すことができる。

 年代別に日焼け止めを選ぶことで、肌に合ったUVカット効果とスキンケア効果を得ることができる。また、日焼け後のケアも忘れずに行うことが大切。1年中降り注ぐ紫外線、自分の年代に合った日焼け止めを選んで、美白やアンチエイジングに効果的なスキンケアを始めてみよう。

【皮膚科医・豊田雅彦氏からのコメント】

 紫外線による皮膚障害は、若い時からの“蓄積”によります。紫外線から肌を守ることは、紫外線による光老化や光発がんは長期間を経て少しずつ進行・発症するため、長寿社会を迎えた今日では非常に大切です。年代別の大まかな対策を念頭に、自分の地域、季節、生活スタイルや肌質に応じた日焼け止め対策が重要です。紫外線対策は、保湿と清潔とを合わせた「三大スキンケア」の一つで、肌にとって非常に重要な対策要素であることを再認識してください。

【監修者プロフィール】

豊田雅彦 うるおい皮ふ科クリニック院長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医。

皮膚科医として、特に皮膚科の患者の中で最も多い悩みである「かゆみ」をとることをライフワークに掲げる医学博士。「頑固なかゆみもアトピーも1分肌活で必ずよくなる:三笠書房」「新しい皮膚の教科書〜医学的に正しいケアと不調改善〜:池田書店」など書籍も多数執筆、好評を得ている。現在までに2,000以上の医学論文・医学専門書を執筆。国際皮膚科学会において臨床 (2002)と研究(2004)の両部門で世界初の単独世界一を受賞。また、国内外で年間最多250以上の講演会・学会発表・保健所指導を行う皮膚病・かゆみのスペシャリスト。現在は千葉県松戸市にてうるおい皮ふ科クリニック(皮膚科、美容皮膚科、漢方皮膚科、アレルギー科、形成外科)を開業、院長として日々患者と向き合い、かゆみを失くすことに尽力している。