開通予定は2023年度内となっています。

厳しい峠越えの福井・岐阜県境にトンネル


橋梁架設が大詰めを迎える「冠山峠道路」(画像:国土交通省)。

 福井と岐阜の中心部を最短距離でむすぶルートが、今年度内の開通に向けて、仕上げ工事の段階となっています。
 
 福井県南越前町と岐阜県大垣市をむすぶ国道417号。県境部に立ちはだかる急峻な山地を超える最難所が「冠山峠」です。未開通部は林道となっており、狭隘・急勾配であるほか冬季は約半年間にわたり通行止めとなり、福井〜岐阜の連絡路としては利便性にほど遠い状況。そこで2本の長大トンネルで一気に山を抜けていくバイパス道路「冠山峠道路」が整備中です。

 2003(平成15)年に事業化し、トンネル工事の開始は2014(平成26)年。「冠山峠第1号トンネル(延長1238m)」「冠山峠第2号トンネル(延長4834)」はすでに貫通済みで、橋梁もほぼ完成。

 2023年6月末時点で、盛土部分と、舗装・安全設備の工事を残すのみとなっています。6月14日に開かれた工程管理に関する会議でも「特に問題なし。工事は進捗している」とのことで、このままいけば予定通り来年3月までには開通を迎えることとなりそうです。

 これまで揖斐川町〜池田町の所要時間は、林道経由で2時間35分、名神〜北陸道経由で2時間15分でした。しかし冠山峠道路の開通後は、そこから50分も短縮となる1時間25分と想定されています。近いようで遠かった岐阜県と福井県。それを通年で直結する新たな一般道のネットワークが生まれつつあります。