ウーロン茶に血糖値を抑える働きがあるのは本当?

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 健康診断で血糖値が高いと指摘され、悩んでいる人は多いのではないでしょうか。SNS上では「健康診断で血糖値が引っかかった」「健康診断で血糖値が基準値を超えて、頭を抱えた」「健康診断の血糖値がヤバかったので、甘い物を控える」などの声が上がっています。

 ところで、「ウーロン茶には血糖値の上昇を抑える働きがある」といわれていますが、本当なのでしょうか。もしウーロン茶に血糖値抑制の働きがある場合、どのようなときに飲むとよいのでしょうか。自身も1型糖尿病歴30年で、著書に「血糖値を自力で下げるやり方大全」(フォレスト出版)がある、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

食事前に飲むのがお勧め

Q.ウーロン茶には血糖値の上昇を抑える働きがあるといわれていますが、本当なのでしょうか。

市原さん「本当です。最近では、ウーロン茶や緑茶を飲むと、糖尿病の発症リスクが下がるという報告や、緑茶を飲むと空腹時血糖値が下がるという報告が上がっています。

これらの原因として、ウーロン茶や緑茶に含まれる『カテキン』が糖の吸収を抑制する効果を持つため、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることのほか、カテキンの抗酸化作用や抗炎症作用が腸の炎症を改善し、腸内環境が整うことで、インスリンの効き目が良くなることが考えられます」

Q.血糖値の上昇を抑えたい場合、ウーロン茶はいつ飲むとよいのでしょうか。

市原さん「先述のように、カテキンが食後の血糖値の上昇を緩やかにするため、食事前に飲むことをお勧めします。また、ウーロン茶に限らず、水分を多く摂取することで満腹感が出て食事量が減り、結果として血糖値が改善することはよくあります。そのため、食事中も小まめに飲むのがよいと思います。

1日に4杯以上のウーロン茶を飲むと、糖尿病の発症リスクが下がるという報告があるため、こちらを目安にしてみてはいかがでしょうか」

Q.ウーロン茶を飲み過ぎると、どのようなリスクがありますか。

市原さん「ウーロン茶にはカフェインが含まれているため、飲み過ぎるとカフェインの過剰摂取になります。ただ、ウーロン茶に含まれるカフェインの量を考えると、1日2リットル以内であれば飲んでも問題ありません」

Q.ウーロン茶以外にも血糖値の上昇を抑える飲み物はあるのでしょうか。

市原さん「水溶性食物繊維である難消化性デキストリンやグアバ茶ポリフェノールを含む『特定保健用食品』の飲料を摂取すると、食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。食事の前にコップ1杯程度の量を飲むとよいでしょう。

紅茶にもカテキンが含まれているため、食後の血糖値の改善効果を期待できます。また、1日3〜4杯のコーヒーを飲むと糖尿病の発症リスクが下がるという報告が複数ありますが、砂糖やミルクを入れる場合は、量に注意が必要です」