“神席中の神席”教えます! スターフライヤー新型機の異例仕様の新シート、乗り方にコツや注意点あり?
スターフライヤーが運航開始した新型機「A320neo」。この機は、これまでのスターフライヤー機とは全く異なる新客室仕様が採用されています。この新型機、より快適に味わうには、ちょっとしたコツが必要かもしれません。
全面的に見直された新シート
北九州空港を拠点とする航空会社、スターフライヤーが新型機「エアバスA320neo」の運行を2023年7月4日から開始しました。この機は、従来機から全面的に客室とシートの仕様が見直されています。実際乗ってみると、より快適に過ごすために、ちょっとしたコツがありそうなことが分かりました。
スターフライヤーの新型機「A320neo」(2023年7月4日、乗りものニュース編集部撮影)。
A320neoは、スターフライヤーの主力機である「A320シリーズ」の新たな派生型で、従来機のA320ceoと比較し、エンジンを換装することなどで、消費燃料が約20%、騒音影響が約50%、それぞれ削減が図られるといいます。
新シートは従来よりも薄型で全席に電源コンセント、USBポート、そしてタイプCのUSBポートと、3種類の電源設備を装備。従来機では前席搭載されていた個人モニターが全廃されているかわりに、スマートフォン・タブレットホルダーが設置されています。シートピッチ(座席の前後間隔)は最大35インチ(約89cm)。これは国内最大級の足元スペースとしています。また、同社では初となる機内無料Wi-Fiサービスも実装されています。
従来から他社の国内線仕様機を上回る快適性をセールスポイントとしてきたスターフライヤー機ですが、新シートは、それを踏襲しながらも、ひとりひとりが自分のスマホなどを使いながら時間をすごす“現代風”に仕上げられたものということができるでしょう。
実際に乗ってみたところ、この機でより快適に過ごすためには、大きくふたつのポイントがありそうです。
スタフラの「新シート」を一層快適に過ごすコツは?
まず1点目は「2列目から7列目の座席を狙う」ということです。
先述のとおり同社はシートピッチを“最大”35インチとしています。つまり裏を返すと、ブロックごとで微妙にシートピッチが異なるのです。もちろん、数インチ程度の僅差ではあり、全席が広々としていることはいうまでもありませんが、非常口座席を除いて、この最大となる35インチの間隔が設けられているのが、2列目から7列目までとなります。
スターフライヤーの新型機「A320neo」の客室(2023年7月4日、乗りものニュース編集部撮影)。
もうひとつのポイントは、リクライニングを用いる際に後席のお客さんへ「倒していいですか?」の一声を掛けること。気兼ねする人もいるかもしれませんが、とりわけ今回の新型では、他の人に配慮しながら快適に過ごすうえで、一声掛けておくにこしたことがありません。
というのも、スターフライヤーのA320neoは「中長距離国際線で使うシートを国内線で使っている」とのこと。そのため、通常の国内線仕様機とくらべて、リクライニングの角度が明らかに深く、よく倒れます。
これは快適性アップにもちろんつながりますが、通常の国内線機のつもりでリクライニングすると、倒れすぎて後ろの乗客が不快な思いをしてしまう可能性があります。急に倒してしまうと、後席客がテーブルでPCを開いていれば強制的に画面を畳んでしまうほどなので、ゆっくり倒すことも重要です。また、タブレットホルダーが前席のリクライニングと連動して傾くため、後席客のスマホなどが床に落ちる可能性もあります。
万が一それで他の乗客がイライラした反応をするところを見てしまうと、せっかくの快適なシートを、ピリピリしたムードで過ごさざるをえません。後ろの人に一声掛けて座席をゆっくりと倒し、「快適な空の旅のためのムード作り」をすることが重要な要素となりそうです。裏を返すと、それほど国内線では異例のシートになっています。