歴史の転換点? ロシアと深かったペルーで米軍と南米諸国の大規模演習 「あれ、アルゼンチンは…」
不参加の理由はあの国?
ペルー支援を見据えた訓練
アメリカ空軍は現地時間の2023年6月26日、ペルー・ラスパルマス空軍基地で行われる、共同相互防衛演習である「レゾリュート・センチネル2023」の開会式の様子を公開しました。
ペルー空軍のSu-25を背景に撮影する各国空軍代表者(画像:アメリカ空軍)。
同演習はアメリカ南方軍が中心となり、6月24日から7月22日まで行われる南米諸国との演習です。元々は中南米でアメリカ空軍が行ってきた現地国との共同人道支援演習を発展させたものとなっています。参加国はアメリカ空軍と会場を提供するペルー空軍のほか、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、ウルグアイ、パナマ、さらに南米以外ではイギリス空軍が参加します。
「レゾリュート・センチネル」という演習自体は2021年から開催されていますが、これまでは中米国との演習であり、南米諸国との防衛訓練を含む大規模な共同訓練は今回が初です。
南米メディアによると、ペルーでこのような演習が行われることが、大きな転換点なのだそうです。ペルーは、今回の演習には参加していないベネズエラに次いでロシアとの関係が深い国でもありました。
しかし、現政権であるディナ・ボルアルテ大統領になって以降はアメリカとの関係が深まっており、今回の演習も、国内で政情不安が続くボルアルテ政権に対する支持の一環として見られているようです。
なお、南米で大規模な空軍をもつ国として、アメリカと対立しているベネズエラのほかに、アルゼンチンも今回は演習不参加となっています。これは、1982年のフォークランド紛争以降、関係が悪化したままのイギリス空軍が参加するためとみられています。