世界初の本格的な海上空港として開業した長崎空港。それ以前は同県の空の玄関口は、別のところにありました。「旧大村空港」とも呼ばれるその地は、現在どのようになっているのでしょうか。

「長崎空港の一部」だったことも

 世界初の本格的な海上空港として1975年に開業した長崎空港。それ以前は同県の空の玄関口は、別のところにありました。「旧大村空港」とも呼ばれるその地は、現在どのようになっているのでしょうか。


旧「大村空港」の航空写真(国土地理院)。

 旧大村空港は長崎空港の対岸の海沿いに位置しています。前身は海軍航空隊の飛行場で、1959年に空港ビルが完成し、民間空港としての役割を担いました。しかし滑走路が1200mしかなく、旅客機のジェット化や便数増加にともなって、空港の拡張が必要になりました。

 そこで、大村湾に浮かぶ小さな有人島「箕島」を埋め立てる形で、現在の長崎空港ができ、そちらにおもな民間空港の機能を移設することとなりました。

 しかし、長崎空港が供用開始後も、旧大村空港は「長崎空港A滑走路地区」の名のもと、ターミナルビルもそのまま残され、長崎空港の一部として使用されることになります。その一方で、旧大村空港時代から軍民共用空港であったため、おもに自衛隊機の発着に用いられていました。

 旧大村空港が長崎空港の一部ではなくなったのは、2011年のこと。国土交通省から防衛省へ、この地区の運営が移管され、「大村飛行場」に改称。ターミナルビルも解体されました。現在は海上自衛隊の航空基地として運用されており、おもにヘリコプターが発着しています。